クリエイターでもない私が偉そうに語るものではないけれど、なんとなく思いついてしまったので。
大前提として二次創作というものは個人間で楽しむ範囲のものであり、商業的やり取りは基本的にご法度です。
なので文章的に分かりづらいかもしれませんが、論点は「無料で消費される技術の質」という点であることをご了承ください。
私は学生時代ニコニコの動画の黎明期でもあったため、MMD (Miku Miku Dance)というコンテンツにハマっていました。雑に説明すると、自分の好きなキャラクターが立体モデルとなり、着せ替えたり躍らせたりすることができました。
二次創作においても漫画や小説と同じくらい当時人気のコンテンツでした。(現在の状況については正直見ていないので分かりません…)
そして当時、私も遊び半分で動画を数本投稿してみました。ありがたいことに多くの方に見て頂けて温かい言葉、激励する言葉も頂きました。
5年以上経った今、改めて見直してみると初心者だったとはいえこんな、「よくこんなクオリティのものを世に出したな自分!」とそのあまりに粗雑さに目を疑いました。
(お借りした素材はどれも素晴らしいものでしたが、とにかく私のミックス・編集技術が絶望的でした)
何でこんな粗雑なものにこんな温かいコメントの数々を頂けたのかと。
色々と考えてみました。そして個人的にたどり着いた結論は二つ。
一つはただただ視聴してくださった方々が良い方たちであったから。これは恐らく間違いない。
ただ、もしこのご時世に同じ動画を投げても、恐らく同様の再生数やコメントは貰えないであろうなとも思いました。
それが二つ目の理由、「我々が無料で拝聴できるコンテンツのクオリティが5年前と比べ飛躍的に上がっている」から。
これに大きく影響を及ぼしているのはスマホの普及…によるSNSとソーシャルゲームの普及だと思ってます。
乱暴に言うと最近はTwitterを眺めているだけで有名絵師が作品を流し、アプリストアを開けば無料でゲームがダウンロードできる。
5年前と比べ「無料」のハードルは大幅に上がり、消費する層の目もどんどん肥えて行きました。
技術も5年前に比べ進歩し、クリエイターさんたちの質も「無料第一主義」の超消費社会で生き残った洗練された人たちをよく見かけます。
逆に5年前の私みたいなのはきっと、この超消費社会へ踏み込む権利すらないのではないか…それくらい「生み出すもの」と名乗るスタートラインが高くなった印象を受けています。
別に悪いことだとは全く思いません。競争が激しいほどクオリティは昇華されていき、一般的により良いものが生まれていくのは創作に限らずモノづくりにおいては大切なことなので。
だけど高くなりすぎたスタートラインにたどり着けすらできなかったクリエイターのたまご、無料化によって高速化した消費に必死に追いつこうとするクリエイターの玄人さんたちも
どこか辛いと思っているところはないのだろうか、と。
法外な価格を設定しろと言っているわけではありません。けれど作品に対する相応の報酬を求めるのも悪ではないと思うんです。
無料化は電通に代表されるような狡い商売と表裏一体でもある この流れが行き着く先は文化の大枯渇だろうね