2020-07-28

良い地頭

田舎のじいちゃんは今年80になる。

そういえば、実家かえるとじいちゃんは変わらず畑を耕していた。

今年はどうですかというと、決まってじいさんはにっこり笑って今年もいい地頭がとれたよ、というのだ。

地頭山芋一種で、かしこさのタネを植えることによって地下茎を伸ばし、脳のような形態の根を形成する。

3年前、出張先でかしこさのタネを宝箱から大量に手にしたのでじいちゃんに送りつけたら、とても嬉しそうにしていた。

そのじいちゃんはその年にできた地頭を大量に届けてくれて、食べるのに困ったほどだ。

食感はコリコリしていて淡白豆腐に甘みを増したような風味で、鍋物と相性がいい。

見た目が完全に脳なので躊躇するが、食べるとかしこさが0.01上がる。

種子ほどではないので主に味を楽しむものだ。

そんなじいちゃんが死んで4年たった。

じいちゃんは今頃天国で80歳になっていることだろう。

地頭を空に向かって手のひらから放ると、じいちゃん笑顔が見えた気がした。

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