私は学生時代に始まり、社会に出てからは職を転々としている(既に4社ほど経験)が、そのどこでも嫌われていた。
嫌われるというのは、あからさまに暴言を吐かれたりするわけではない。他の女性にはちゃん付けなのに私はずっとさん付け、自分だけ気軽に話しかけてもらえない、つまり腫れ物に触るような、遠巻きにするような感じ。
自分が暗そうだからいけないのだと思い笑顔を増やしたりコミュ障なりに自分から話しかける頻度を増やしたりした。その結果「笑顔が素敵な人」と評されたこともあるが対人関係は変わらなかった。
付き合いを深めたあとで嫌われるようになるのではなく、最初から気軽に喋ってもらえなかったりするので、第一印象つまり見てくれが悪いのだ。
私自身は人を容姿で嫌うことはないこともあって一般的な基準はよく分からないが、多少見栄えが悪かろうと、容姿で嫌われている人間はあまり見たことがない。つまり私はそれを実現してしまうほどの稀に見る醜さなんだろう。
そう判断したからには容姿を改善しなければと思って努力は続けているものの、人間関係に改善が見えない。
まだまだ足りないのだ。整形もした。まだ好かれない。
こんな気持ちで長年生きてきたので、自己評価は酷いことになっている。女どころか人間を自称するのも思い上がりな気がして化け物を自称していた。
性的にも全く自信がなく、変質者に遭っても女として見てくれるだけ有り難いと思うくらいだ。
寂しさと自信のなさのあまり、変質者や浮浪者でいいから抱きしめられたいと思うことも少なくない。
焦りから婚活を始めようと思っても、こんなブスをお出ししたら相手が可愛そうだし、反応が怖くてアプリも1日で消してしまった。
けれど、そんな自己評価でありながらたまに思うことがある。「そんなに酷い不細工か?」と。
確かに美人とまではいかないものの、自分の顔がそうギョっとされ顔だけで嫌われるような類には見えず、よくいるブスレベルに見えるのだ。
遠巻きにはされるものの容姿を直接貶されたことは無いし、もう5年以上間が空いてしまっているが告白されて交際したことは複数回ある。少なくとも人間として見てくれる人は確かに存在したのだ。
喋ってもいない人から好かれない時点で、容姿が悪いのはわかっている。
しかしその実態以上に私は、人に好かれない原因を「全て容姿が悪いせい」にすることで、「よくわからないけど人に嫌われる現象の気味の悪さ」から逃れようとしていたのではないか?という疑念が薄々出始めていた。
突然だが私は発達障害(ASD)と診断されている。ASDは人の感情の機微に疎いという特徴があり、私も例に漏れずそれである。
嫌われる理由は、もしかしたら容姿以外にも、雰囲気だとかオーラだとかが何となく良くないのかもしれない。しかし一般人が感じうるかもしれないそういった微細な感覚は私にとって全くの未知の感覚であり、怖いのだ。容姿のようにわかりやすい特徴でなく、「なんとなく嫌」と思われることに言い表せない恐怖がある。未知故に対処できないと思ってしまう。
また、ASDの特徴に思い込みの激しさ、一つの観念に固執するという性質がある。私はこの性質によって必要以上に「全て容姿が悪いせい」に囚われているのではないか?同じような境遇の人を見ても、私ほど延々自己卑下に囚われる人をあまり見かけないので、そのせいなのかもしれないと思った。
それでも今も自己評価を上げることは出来ない。上記のような疑念があっても「嫌われるの容姿のせい説」はもしかしたら正しいかもしれないし、その場合化け物が相応しい自己評価なので、それ以上は驕りのように思えて怖いのだ。
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