2020-07-25

インセルフィールドワーク

インセルことinvoluntary celibates(「不本意禁欲主義者」と訳されることが多いようだが、「不本意独身者」あたりで良いのではないだろうか)を自称する人々の集うフォーラムを覗く。

彼らの多くは「自分は(容姿の)遺伝子ガチャに負けた以上もう諦めるしかない」「女は『大事なのは中身』とか言ってくるけど全員本当は見た目にしか興味がない」と考えている様子で、「もっと体を鍛えれば」とか「もっと清潔にすれば」とか「彼女ができないのはあなた女性を見下してるからだよ」とか「自分からアタックしないと」とか、そういうのはもう言われ飽きたと主張する。

そして彼らのうち何割かはフェミニズムを嫌い、ことに恋愛市場において女性は完全に男性より優遇されていると言う。彼らは見た目のレベル10段階で評価することを好み、容姿10中9〜7の男性(chadなどと呼ばれる)を全ての女性が求めている不均衡の状態なのだと信じている。つまり本来であれば自分と「容姿の」レベル釣り合っている女性ですらこのchadたちと付き合うことを望む、だから自分にチャンスが回ってこない、これは間違っている、と言うことになるらしい。

自分は彼らに同意しないが、何故自分と接点のない、世界のどこかで孤独に生きている人間が「この世の中は見た目が全て」と言ったときに、強い反発心を覚えどうにか説得しなくてはと思う人がいるんだろうか。

自分例外ではない。フォーラム投稿される「女は全部同じ、自分みたいな人間と顔のいい頭空っぽDV野郎だったら後者の方を絶対に選ぶ」みたいな言論を見ると、いや少し待ってくれ、冷静に考えてくれと言いたくなってしまう。自分にも相手にも何の得もないのに。

増田を見ていると、KKOを全てに持ち込んでくる人の存在など、近しいものがあるのかもしれないと思った。

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