存在があまり知られていないのだが、各教科書には教科書準拠のガイド本(俗に言う「虎の巻」)というものがある。
別に特別な書籍というわけではなく、教科書を販売する書店であれば必ず置いてあり、手に入れるのはさほど困難ではない。
私は、この「虎の巻」で大きく成績を伸ばすことができたので、そのメリットを紹介したい。メリットは4つある。
(教師も是非薦めるべきだと思うのだが、授業の重要性が相対的に薄れるからなのか、特定会社への利益誘導になるからなのか、薦める人は非常に少ない。
それでも、高校で数学の教師がその存在を教えてくれた。1年生の時点から「虎の巻」の効果を十分に感じることができ、成績も大きく伸びた。その教師には本当に感謝している。)
1つ目は、「教科書ガイド」たる本来の意味でのメリットではあるが、教科書を良く理解できるようになることだ。
それも「虎の巻」はオールインワンに構成されているので、理解にかかる手間も少なくて済む。例えば、英語や古典なら新出単語の説明も記載されているので、辞書を引く手間が省ける。
何より、「教科書準拠」という属性は、問題集として最強である。なぜなら、他の問題集を購入しても、「授業」という生解説は付いてこないのだから。
それに、教科書の理解は成績に直結するので、勉強する側のモチベーションも格段に上がる。これが、問題集の中でも「虎の巻」だけが、途中で挫折することの少ない理由である。
部活や風邪など、授業を1回休んだだけで、その内容に付いていけなくなる科目は多いが、そのリスクが緩和できる。誰かにノートを取ってもらう必要も無い。
「虎の巻」には、教科書の流れ、演習問題の解答、解く際のポイントが全て書いてある。授業を休んだとしても、「虎の巻」を読めば、授業で行う内容は概ね理解できるだろう。
もちろん、「虎の巻」だけで勉強できると思ってはいない。しかし、解答を保有することは非常に強い。
解答があれば、自分がわからない部分は、この解答の「どこ」なのかが具体化できる。具体化できたなら、その部分を指し示しながら、学校なり塾なりで質問することができるわけだ。
テスト前にノートをキレイにまとめ直すのは無駄だとよく言われるが、ノートは「車輪の再生産」であり、作成すること自体がそもそもの無駄である。
「虎の巻」には、問題の解答や授業の流れが書いてあるのだ。ノートは真っ白な冊子に書くのではなく、「虎の巻」にマーキングし、差分に当たる分だけ書き込めばいい。
数学の理解につまずくのは、その多くがノートを取るのに手一杯で、教師の話す強調ポイントを聞き取ることができないからだという。
白紙からノートを構成するのに比べたら、そんなリスクは格段に減るだろう。それに、ノートを全て取りきれなかったということも無くなるだろう。
(逆に言うと、このあたりが一部の教師から、「虎の巻」が邪道だと言われる理由である。教師が教えた内容を、素直に一からノートに起こす学生が真面目に見えるようなのである。)
そして、個人的には一番重要だと思う4つ目のメリットは、予習主体の学習ができるということである。
「虎の巻」には、解答やポイントが書いてあるのだ。授業に先行してそのポイントを読み、実際に問題を解くことで、先に書いた通り、自分のわからない部分を具体化できる。
すると、極端な話、授業はそこだけ聞けば良いことになる。よって、予習することによって授業中に暇が生まれてくる。
そして、その暇を更に予習に充てるのだ。英語なら先の単元の和訳をしたり、数学なら先の単元の問題を解いたり。授業の進度に十分先着したら、学校から配布されたワークブックを解くのだ。
すると、テスト勉強期間には一通りワークブックまで解き終わっており、テスト勉強は、ワークブックの間違いとまとめの問題を再度解くだけ。
その余裕は、綿密にノートをまとめ直す復習ではなく、「虎の巻」によって手軽となった予習によって生まれるのである。
予習によって授業中に暇が生まれ、その時間をさらに予習に充てることで、モタモタした授業をテスト勉強へと繋げる正のスパイラル。そうすれば、予習において自分で問題を解く機会も増え、受験対策にも直結する。
以上のように、授業を休みがちの学生にも、授業をまともに聞かずさっさと先行したい学生にも、「虎の巻」はうってつけなのである。
ちゃんぺら
そんな本があるなんて知らなかった… もっと早く知りたかった。
えええ? クラスで誰かが持ってきてただろ 先生も大抵持ってるし・・・
低学歴乙です
教科書会社は、教科書ガイドだけでなく、教科書を用いた授業動画も販売すればいいと思う。 教員はクラス単位で授業するのを辞めて、生徒ひとりひとりに自分の出来に応じて動画を消...
増田が小学生の時、テレビ見るだけの授業で興味ない場合でも、おりこうに全部の動画見てたと思う?
まあそういう奴は授業でも変わらないけどな。