2020-07-17

anond:20200716203604

印刷会社の者ですが

事前人気に頼らざるを得ないというのはわかります

かに刷り部数の決定は駆け引きというか…当初は3万部という話が、出版社内の営業編集で争った結果5000部になりました…。

とかよくありますよね。

編集さんがプレゼンしなきゃいけないのは、買い手である読者に買ってね、書店さんへ良い場所へ置いてねこの本よろしくね、以外にも多く、

営業や社内へ向けて「出版するか」「何部刷るか」のプレゼンが大変そうです。

それには確かに数字としての実績や人気を示さないといけなくて…「Twitter話題で人気の原作(作家漫画など)です!RT数、フォロワー数はこれくらいです」もひとつ指標ですよね。

「売るための下地」がなければ「部数を刷れない」のは、たしか現実として正しいことです。

以前、芸能人の方の出版物を担当しました。

これは事務所代理店の関わる「売ろう」と決められた本なので、あらゆる媒体宣伝され、広告がうたれ、「売るための下地」をお金をかけて作りました

初版1刷は2万部です。

しかし、実際に最初に刷ったのは10万部です。

公表につき再刷!増刷重版(厳密にはちがいますが)!○万部突破

宣伝するために出荷前にはもう3刷まで刷ることもあります

これもまた実売数を売るための下地であり、刷り部数を増やすテクニックです。

元増田さんは文芸でしょうか?なかなか下地の難しい分野ですよね。

部数を多く、という以前に発行に漕ぎつけるまでが。

コミックスであれば、現在は3000できれば5000部というロットで刷れるようになったため、とりあえず出してみよう、が以前より多く感じます

POD(オンデマンド)本を勧めてらっしゃる方もいますね、弊社も承っておりますよ、書店サイトから注文が入り即日C1000プリント、手作業PP貼りし、手作業製本して手作業断裁、そして発送。

正直こちらは一般流通する書籍などと同等とは言えませんし、刷り部数が確保できないほどの小ロットしか向きません。

印税(率、または単価が高いことによる額)が良くても総合的には部数が稼げる商業印刷には収入としてはかなり劣ります

宣伝して売るための予算を取る、初版部数を増やす、これらは買い手への宣伝ではなくて社内へのプレゼンです。このためには、事前の評価必要なのは事実です。

どんなに編集さんが熱心でも、その予算が取れず部数も減らされてがっかりされていることは日常で、私たち印刷会社も以前より部数が絞られる傾向を感じています

刊行タイトルは増えている気がするのですが。

刊行タイトルが増えて、抱える作家さんが多くなったせいか宣伝できるタイトルが絞られている印象です。

タイトル数が増えて、個々の実売数が減っている…そうすると人件費率も経費率も爆上がりですからね…。

(印刷会社から見て、印税10%は妥当かなと思うのですよ、物価が高くなったとは言え製品原価自体は微々たるものですが、あまりに一冊をつくるのに人手と時間がかかるので…。)

(売れる本だけ大量に刷れるなら別ですが、大半の利益の出ない売れない本の経費や赤を、売れる一部のベストセラー本が補っている現状です。)

作家さんが増えて「経費」も絞られていますよね、校正校閲を省くという荒業から作家さんへの接待なども。

我々業者は、作家さんの花見の席取りや、作家さんの趣味観劇チケット取り、打ち合わせで行きたいとリクエストのあった予約制飲食店の予約…などによく駆り出されたものですが、新人の方への接待で呼ばれることは少なくなったように感じます(大御所さんはいまだにありますが)。

作家一人一人、タイトルひとつひとつ時間人員も割くことができなくなっているのだなと感じていますから

ネットで話題超人作品がついに刊行!」でもなければ、宣伝予算も刷り部数も、そして人もつけられないのかな、と。

  • そこまでやってんですか…あくどい。 日夜お疲れ様です。

    • 銀魂の作者とか印刷屋にマジで嫌われてるらしいしなぁ 締め切り破りで ジャンプの番組で見たけど、印刷屋の人が可哀想すぎてマジで引いた

    • くそみたいな漫画家と くそみたいな編集に くそみたいな扱いをされる それが下請け印刷屋

    • ツイッタ~で文句垂れてる漫画家ほど、こういう印刷屋とか業者にクソ対応してそう。

  • 元増田からここまで読むと納得

  • >https://anond.hatelabo.jp/20200717110714> 我々業者は、作家さんの花見の席取りや、作家さんの趣味の観劇チケット取り、打ち合わせで行きたいとリクエストのあった予約制飲食店の予約…な...

  • こっちの印刷会社増田のとこまで読むべき 言ってる意味がわかる https://anond.hatelabo.jp/20200717110714 出版社増田は言葉へたくそすぎか?

  • こっちの印刷会社増田のとこまで読むべき 言ってる意味がわかる https://anond.hatelabo.jp/20200717110714 出版社増田は言葉へたくそすぎか?

  • 印税10%って作家からしたら安いけど、作ってる人がいて売ってる人がいて材料費もかかってるんだよな。 ネットだと作家側に立つ人多いけど。

  • 自分はかつて作家になることを志して夢破れた(そこそこ夢が叶いそうなところまでは行った)自分が、一昨日あたりに出版業界の増田たちが書いた文章を読んで思ったことを書く。 以...

    • そもそもにして額縁に入れて飾りたいほどの美文も書けないのに文章で食っていこうというのが良い根性してるよ。ライター・作家志望者

      • 別に一般読者は美文とか求めてないと思うよ…。

        • 国語ができればみんな文章書ける日本社会で、美文をぶち上げるくらいの特出した技芸もないのに、ヘロヘロとミミズののたうちまわりを印刷して飯食おうなんて。現場作業員のおっち...

          • 売文屋がメシを食う絶対的法則!1太い客先2業者と癒着する勇気3うまい立ち回りーこの3つね!面白いとか感動させられる、時代に爪痕を残すとかではない。

          • 売れる小説の文章は読みやすさが一番でしょ。 気取った美文の小説なんぞいるか? いやあってもいいけど主流じゃないよね?

            • 秀でた技芸の一つの例として美文を取り上げただけであるので、アスペさんはそこに拘らないでいただきたい🖕🖕(👁👄👁)🖕🖕

    • プロとか気張らんでも ここでショートショート載せてる人もいるし 気楽に書いてもいいんじゃないの?

    • >自分はかつて作家になることを志して夢破れた(そこそこ夢が叶いそうなところまでは行った)自分が、 ここだけ直してほしい…。 冒頭一行目からこんなミスするって何なの 内容は...

      • そらもうマウントが行間から漏れてますからまつ毛ですし

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