初めて作った同人誌だった。
それらが、今手元にある1冊(自分用)を除いて全て誰かの手に渡った。すごいことだ。
私の初めての同人誌は、アニメ化で有名になったジャンルの、少しマイナーなカップリングだった。
10部でも多いかもしれない、とビクビクしながら即売会に参加した。
スペースには、Twitterで知り合った相互さんが来てくれた。
そこで半数ほどがお嫁に行った。
リアル知人の先輩腐女子にも、布教ついでにプレゼントした(他ジャンルで普通に迷惑だったと思うけど、気づかないフリをした)。
即売会に参加したときも、初めてお品書きを作ったり、初めてサークルチケットが届いたり、そういうことに何度も感動してきたはずだった。
このカップリングの同人誌がこの世に存在するよ、と主張しているみたいで、嬉しかった。
わかってくださる方もいるかもしれないが、誰かが手にとってくれるかどうかなんて二の次なんだ。
この世にそのCPの同人誌が存在するという事実そのものが大切なんだ。
そのはずだった。
当然と思われるかもしれないが、私は嬉しくて泣いた。
正直、出来がいいとは思えない。
なにせ初めての同人誌だ。
だから、とても失礼なことを言うと、即売会で会った相互さんも、本当に読んでくださったとは思っていなかった。
付き合いで買っただけ、ということもあり得るのだ(感想をくださった相互さんもいる。しっかり覚えている)。
でも、「通販で」手にとってくれる人がいた。
BOOTHではハンドルネームがわからない。と私は思っている。少なくとも私は知らない。
だから、付き合い抜きで、本当に読みたいと思った人しか買わないのではないかと私は思っている。
あれからもう数年経った。
そうして私はまた、この同人誌に「初めて」をもらったのだ。
結局何が言いたかったのか。
そんなものはない。ただ、この話を誰かに聞いて欲しかった。それだけ。
この広すぎるインターネットならいつか誰かは見るかもしれないというただの希望。
推敲したらこの熱が逃げてしまいそうで怖いから、できるだけしないでおこうと思う。
追伸
もうこのCPでは表立っては活動していないけれど、実はずっと書き続けている長編小説がある。
この本を書き終えてすぐくらいに書き始めた小説だ。まだ書き上がっていない。
もし完成したら、また本にしようと思う。
完売おめでとう。よかったな。