2020-07-04

家を買った。

今年、家を買う。


20年前、こんなど田舎に住むなんて考えられないと思った、この土地に。

実家から車で一時間の、おじの家で遠くに聞こえる電車の音と少しの民家と、田んぼ田んぼ田んぼ、それと、いくつかの溜池


何もすることないじゃんと思っていたこ土地に、根を下ろすと決めたのだ。


思えば去年までは奨学金を払い終えたらもう一つの故郷海外へ帰るつもりだった。

私は日本日本の真裏の国のハーフで、育ちは日本だが、故郷言葉も話せるし、親の定年が目前となっており故郷へ帰ることを知っていたか自分もそちらへ行くか、という決断だった。しかし、故郷政府はとても頭がわるく、今回のコロナでの対応も目に余るものだった。ギャングたちによるコロナ伝播阻止や、脱獄囚たち。命の危機日本よりも何倍もあるその国で子供を生み、育てたいと思えなくなっていた。


幸いにも私は早々に生涯の伴侶にあい、いま苦楽をともにしている。私の気の変わりように快く「うん、いいよ」と頷いてくれた。


そこで、この決断が揺らがないうちに、決めたからには家を建てようとなり、一ヶ月ほどでホームメーカー契約をした。


幼い頃、おじの家に遊びに来るたびに何もないところだなと思っていたこ土地に、田んぼしかないと思っていたこ土地が、今はどうしようもなく好きだった。

パートナーは私の決めたところならどこでも良いらしかった。


この街大きく発展し、子供のいる世帯には手厚い待遇をしてくれるし、車さえあればとても住みよいし、学校もいっぱい増えていて、映画館もあって、外食や買い物に困らないすごいいい街になっていた。

前職がこの街にあったこから賃貸で3年住んだからこそここに落ち着きたいという強い気持ちができていた。パートナー電車通勤に1時間半もかかる。それでも構わないと言っている。


ここに、住もう。

故郷へ帰る親は大賛成だった。間違いなく、あなたの国はこっちだと、海外旅行が好きで、新しい家電が好きで、アニメ漫画が大好きで、災害ときちんと向き合うこの国があなたにはあってる。故郷世紀末みたいだけど、親は日本で老後を生きるすべ、金がないからと言った。

私は少し悲しくなって、お礼を言った。


ここを新しい故郷として、子供をもうけて、暮らしていこう。

幸運にもこの街にはすでに友人が何人かいるし、叔父もいる。怖いものはなかった。後悔もなく、早く家が建たないかなという楽しみだけある。


実家貧乏だった。外国人労働者待遇は非常に悪い。年も食ってきた。学生時代大学に行きたいといったら反対された。お金がないとのことで。

私の夢だった語学を学ぶ夢はそのとき潰えた。

仕方なく行った専門学校パートナー出会った。

あのときからすでに奨学金という借金を抱えていて、日本では家を建てられないと、諦めていた。子供の頃の貧困からずっとずっと諦めていた。


でも、買ったよ。買えたんだ。

パートナーと4回くらい転職したけど、やっといい会社出会ったんだ。

いい街に出会えたんだ。なんて、幸運なんだろう。


はやく家が建たないかなと毎日パートナーと話す、この時間さえも愛おしい。

  • おめでとうございます。 これからも大変な事はあると思うけど頑張って下さい。

  • おめでと。頑張ったんだな。幸せにな。     浮気するなよ。

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