2020-06-28

アッパー系コミュ障が仲間内にいるとしんどい

 コミュ障には複数タイプがいるのだと最近になって知りました。

 一概に「コミュ障」と言っても、そのタイプによってかなり印象は変わります。どれがどういうふうに良いのか、あるいは悪いのか、というのはもちろん個人差があると思います

 個人的にはタイトルの通り、「アッパー系コミュ障」が一番対応が難しいな……と感じました。

 コミュ障、と聞くと大抵の人の認識は「ああ、口数が多くなくて、会話が続かないタイプかな」というものかな、と思います

 もちろん、そのタイプコミュ障もいます。というか半数くらいはそのタイプのような気がします。

 けれど、私が「あ、この人コミュ障だな」と感じたのは、上記タイプの特徴とは真逆の人でした。

・よく喋る

・とにかくよく喋る

・声が大きい

早口

・周りの空気が読めていない

・脈略のない話(周りが興味ない)を延々と続ける

他人に喋らせる隙を与えてくれない(会話のキャッチボールをしてくれない)

相手の話を聞く姿勢が保てない

・そりゃもうよく喋る

・なにより、上記全ての自分の行動は無自覚である

……といったタイプでした。

 調べたところ、こういう「よく喋るタイプコミュ障」を「アッパー系コミュ障」と称するらしいのです。

 これを調べたきっかけは、とあるゲームでの出来事です。

 最近ハマっているゲームで、非対称型オンライン対戦ゲームを遊んでいる時でした。

 普段からよく一緒にチームを組んでプレイする友達複数人居て、時間タイミングが合った時にボイスチャットアプリ通話を繋いで一緒に遊ぶ、というのがルーティン化していました。

 その中に、最近になって参戦した人がいます。私経由でゲームに誘った人でした。

 私が良くそゲームの話をするので、それに興味を持ってくれたその人もゲームを始め、やっていくうちにみるみるのめり込んで行きました。上手くなろうという意識が強く、向上心があって、こういう人がゲーム内に増えるといいなぁ、と思っていました。

 その人のレベル上げやゲームランク上げを手伝ううちに、最初は繋いでいなかったボイスチャットをしていて、気になる点がいくつか出てきました。

「この人、ほんとよく喋るなぁ」

 最初はその程度でした。

 なんとなく、一番最初にお声を聞いた瞬間から「あ、この人人見知りで緊張してんなこれ」と勘付きました。

 言い方は悪いですが、陰キャオタクの話し方そのもの、という感じがしました。

 他人と喋り慣れてない、知らない人だらけで緊張する、何か喋らないと、黙っちゃダメだ、迷惑かけないようにしよう。

 そういう感情が手に取るように分かる話し方でした。

 実際、私の友人ばかりの通話に招かれて、緊張もしていたでしょう。知らない人ばかりで、その人は初心者で、周りは全員既にゲーム慣れをしているプレイヤーです。足を引っ張らないようにしよう!というプレッシャーもあったと思います

 だからまぁこれはそのうちここのメンバーに慣れればこの人も自然と馴染んでいくだろう、と思っていました。

 何度も何度もゲームを一緒にプレイして、通話を繋いで、気付きました。

「あ、最初のあれは緊張とかプレッシャーだけじゃねぇな。もともとそういう会話をしてしまう人だ」

 そこでやっているゲームは、ゲーム内のチャット機能があります定形文ですが、ボイスチャットを繋いでいなくとも、オンライン連携を取るには十分なものです。

 仲間内でわいわい楽しむのもそうですが、このゲームボイスチャットを繋ぐ一番の理由は「肉声での素早い情報交換」です。

「どこに誰がいる?」

「今なにをしてる?」

「誰が敵に追われてる?」

「周りの作業はどれくらい進んでいる?」

 そういった情報を素早く正確に言葉で伝えることで、連携を更に強固にし、敵側の一手より先を読んでいく。ある意味情報戦であり頭脳戦のようなゲームです。

 うちのメンバーは勝ち負けに激しくこだわるタイプではないですが、やるからには1ゲーム1ゲーム真剣勝負で、という共通認識のような空気がありました。

 つまり、「肉声での情報交換がどれだけ正確に出来るか」が円滑なチームプレイの柱になります

 問題が発生したのはそこでした。

 上記の通り、その人はよく喋ります

 いいんです、喋ることが悪いこととは言いません。全然喋ってくれていいんです。

 ただ、その人は「分かり切っていることを何度も何度も繰り返し、声が大きく早口で、周りの人の声もかき消すレベルで喋り倒している」のです。

 わかります自分が敵に追われてたら焦りますよね。ぎゃー!とか、うわー!とか言いますよね。全然いいです、いいんですそれは。

 ただ、その声の音量と物量で、周りの人間が喋ろうとしている必要情報が一切入ってこないのです。

「私です私追われてます!うわぁどこに逃げよう!あっち行った方がいいのかな、でもこの距離間に合わないかもな、あーやばい一撃貰いますすみません!ここはこうして…、よしよしよし!!今のでいいや、次はどこに逃げよう!あっちかな(以下エンドレス)」

 ……いいんですよ、喋っても。

 ただ、これが通話を繋いでる回線内で、割と大きめの声で、ハリのある声で、早口気味で、喋り続けているんです。

 その情報は本当に必要ですか?

 逐一しゃべり続ける必要はありますか?

 その音量は適切ですか?

 他の人が喋ろうとしてる気配は全く感じませんか?

 譲ろう、という気持ちは湧いてきませんか?

 それが凄く不思議でした。

 ゲームでのプレイヤースキルで足を引っ張ってしまうのは仕方ないです。その人よりずっと戦ってきましたから、立ち回りに差が出てしまうのは仕方ないです。それを責める気はありません。

 力量差にプレッシャーを感じるのも仕方ないです。

 ただ、「どうしよう」「どうすればいいですか?」と聞いてくるわりに、こちらの話はあまり聞きません。

 今は便利な時代ですから、参考に出来る動画YouTube死ぬほどあります

 私たちより更に、圧倒的に上手い人達対策動画や立ち回りの動画を上げてくれてます

 私自身、その人に「動画とか見て実践したり、覚えていくと分かりやすいかも」と教えました。

 ただ、その動画あくまで「参考書」です。

 その動画は「既にある程度の

暗黙の了解的な立ち回り】を理解し実行できている前提で、更に上手い人が巧みに立ち回るための動画」なのです。

 YouTubeに並んでる有名な人の動画は、言うなれば名大学の赤本です。

 それを基礎知識もない中学生レベル人間が見たとして、本当に参考になりますか?身につきますか?

 土台がしっかり組み上がってないとダメなんです。

 それをその人は理解できていないような気がしました。

「上手い人の動画をみて自分も上手くなろう!」

 それ自体は良い心がけだと思います。ただ、前提段階が出来ていないのに、出来るわけはないのです。

 その人と組んでいる時はよく言います、「周りを見て!」「その立ち回りは私達よりもっとPS連携が上の人がやって上手くいくものから!」と。

 理想だけ高くて、それに追いつこうという熱意と行動が比例してないのです。

 そして、何となく感じていたのが、既にゲームを始めていた私達を下に見ているような態度でした。

「私にアドバイスとか色々してくるけど、どうせ動画上げてる人たちより弱いんでしょ?」

 被害妄想と言ってしまえばそこまでかもしれませんが、アドバイスをするたびに言葉の節々にそんな感情が見え隠れしていました。

 その人の中では完全に、

動画で言ってる立ち回り>私たちチーム側が言ってる立ち回り

、なんですね。

 それを悪いことだとは言いませんが、ならば私たちに「ああい場合はどうすればいいですか?」とか、聞かなくてもいいんじゃないかな?とも思います動画見れば答えが載ったんじゃない?と。

自分はよく喋るけど、相手の話を聞く気はない」

 そういう人なんだな、と実感したのはつい先日起きた一件でした。

 メンバーの中でもその人への認識が似通っていて、あれはどうにかならないものかと悩んでいました。

 そんな時に、私が通話越しに指摘してみました。

「○○さんは自分でいっぱい情報喋っちゃうから、もう少し周りの人の情報も聞いてあげると立ち回りとか考えられるよ」と。

 それの、いっぱい情報喋っちゃうから、まで言った時点で、その人は急に堰を切ったように私の言葉に被せて喋り始めました。

「あ、野良の人が私と同じキャラクター使ってるので変えますね!どれがいいかな、バランスを考えてこのキャラのほうがいいかな、装備はこれにしますね!あ、でもこっちがいいのかな?……はい!で、なんですかっ?」

 …………わお。

 怒涛の勢いで言葉を遮った挙句、しゃべる内容はクソほどどうでも良くて、更に言い終わってから続きを促した……だと……?

 私は一気に喋る気を無くして「うん、(別に聞かなくて)いいよ」と言ってゲームを進めようとしました。

 すると、それを聞いていた相方がそれに酷く腹を立て、全くそ素振りを見せなかったのに

「ごめん、今日仕事時間早かったから眠くて、この一戦終わったら解散にしよう」

と言い出しました。

 なんとなく、「今の遮り方、相方は嫌いそうだな」と分かっていたので黙殺しました。

 結局そのあと、一戦を終えて解散になり、グループでの通話を切ると、間髪入れず相方から個人通話が飛んできました。

「あれは無い。マジでない。人としてありえない」

 珍しく怒り心頭で、捲し立てるように、どれだけあの人の対応が失礼で人間的にあり得ないか、喋る相方言葉を聞いて、まあそうだなと感じました。

「本人が教えを乞うているから、みんながアドバイスをしてきたし、○○(私)が改善するために皆が言いづらいこと言ったのに、あの遮り方は悪意がある!あり得ない!」

 せやな。という感想でした。

 相方の怒りが爆発しているからか、遮られた私自身はそこまで怒りを感じませんでした。

 私は、おそらくあの普段の喋り方も音量も早口も、その人は意識的にあるいは無意識的に、自覚しているのではないかなと。

 だからこそ、「自分が分かっていること」を他人に指摘されるのが嫌で、故意に遮ってしまったのではないかな?と。

 誰しも聞かれたくないことはあります

 中学生掃除をしようと自分から意識した瞬間に、親から「たまには部屋掃除しなさい」と言われたらげんなりする、そういう感じなのかなと。

 その時の気持ちとしては「そんなこと言われなくてもわかってるよ!」でしょうか。

 その人もそう感じたのかな、だからあんな、わざとらしい遮り方をしたのかな?と思いました。

 それを許すとは言ってませんが。

 

 言葉キャッチボールが出来てない、そういう印象が時間を重ねるにつれて大きくなりました。

 言葉ピッチングマシンの如く一方的情報を寄越し、こちらの言葉聞く耳持たず。

 都合の悪いことは遮って聞かないようにして、自分のことをたくさん喋る。

 その特徴を並べて検索して、そこで初めて「アッパー系コミュ障」の存在を知りました。

 これなら喋らないコミュ障の方が幾分かマシだな、と素直に思いましたね。

 働かない無能と働く無能では被害の大きさが違うという話です。

 喋るけど会話が出来ない、適切な量でやりとりをすることができない、相手言葉を聞き入れない、相手を思いやることが出来ない。

 アッパー系のコミュ障は、そのことに気づきません。

 空気が読めないから、周りがどう思ってるか、自分がどう思われているか客観視が出来ていない。「コミュ障である」という自覚がまず無いのです。自分普通に喋れる、実際喋れていると思ってる。厄介ですね。

 自覚がないか改善するのに多大な努力時間必要なのです。

 私はその人が改善する確率は低いと思っています。その人はすでに社会人です。20を超えています

 つい先日、こういう喋り方になったわけでは無いと思います

 その人はたぶんずっと、その喋り方と接し方で生きてきたんです。

 20年以上染み付いてしまったものを変えることは難しいです。考え方を変えるのはもっと難しい。

 誰も指摘してくれなかったのかな?と思いました。誰も注意してくれなかったのかなと。

 その歳になるまで、注意してくれる友人は居なかったのかな、と邪推してしまいました。

 人のことを言える立場ではありませんが、これだからコミュ障って苦手なんだよな……と改めて感じる人物でした。

 相手の話に耳を傾ける。

 適切な返答をする。

 相手意見尊重する。

 話してる最中に遮らない、被せない。

 それができる人って「当たり前」じゃなくて、すごく大事コミュニケーション取れる人だったんだなぁ、と知見が広がりました。

 それだけでも収穫かな。

 いろんな人がいるんだなぁ。

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