好きな同人作家がいる。
カップリング二次創作の小説サークルをやっている人で、交流はない。無記名式のメッセージフォームに何度か短いコメントを送ったことはあるけど、認知はされていないと思う。
数年前この作家が即売会に出席した。スペースに向かうとオタクらしい服を着た女性がいた。すっごいおっぱいがでっかい。
金を払い、本を受け取り、その場を離れた。500円玉の代わりに手元にやってきた、100ページ超の文庫本は、分厚い紙を使っているのか、やけに重かったが、正直なところその本の内容より、作家のことが気になってしまっていた。作家はおっぱいが大きかった。巨乳だった。
ブラウスの裾をスカートだかワイドパンツだかにしまっていたので胸が強調されて見えただけかもしれないけど、とにかくおっぱいがでけぇなという印象が強かった。強すぎて、好きですとか、応援してますとか、頑張ってくださいとか、そういう当たり前のことを何も言えなかった。
同人誌は面白かった。作家がウェブ上で公開しているSSも面白い。ツイッターは時々狂うけどまぁ解釈は近い。そのままその作家を追った。
その後も作家は何度か即売会に出席したので本を買った。必ずおっぱいを見た。作家はフェミニンな服を着ることが多くて正直胸が浮いていた。だから目が向くんだろうと言い聞かせた。
あるとき、作家のツイッターアイコンが真っ黒になった。オタクはジャンルで喜ばしくない(或いは喜ばしい)動きがあるとアイコンを単色にしたり、スクリーンネームを「無理」とか「しんどい」とか「墓」とかに変えたがる。作家の場合はどうも、よろこばしくないパターンのようだった。
作家はツイッターアカウントを消し、ピクシブアカウントを消し、倉庫として開いていた個人サイトを閉鎖した。
作家の作品が読めなくなるということよりも、作家が即売会に出席しなくなること=作家に会えなくなることが心配だった。正確には、作家のおっぱいが見れなくなるのが嫌だった。見たいだけで、触りたいわけじゃないんだけど、だからこそ見れなくなるのは困る。
少しして、カップリング名でパブリックサーチをしている時にたまたま転生アカウントが目に入り、再び作家の動向を把握できるようになった。
作家はあけすけな物言いをするようになっていたものの作品の傾向に変化はなく、即売会への参加にも前向きだった。またスペースへ行き、本を買い、おっぱいを見た。
その時は今までとは違ってボーイッシュな格好だった。Tシャツにパンツにカーディガンみたいな、ラフな感じで、あまりおっぱいは目立っていなかった。それで余計におっぱいへ意識が向いてしまう。そろそろバレてるだろという気もしたけど、オタクは基本人の目を見て話さないし、下ばっか向いてるもんだから、多分大丈夫だったと思う。
で、この作家がまた病んだ。病んでまた全部消した。今度はどういうワードで検索をかけてもそれらしいアカウントを見つけられなかった。非公開のアカウントを作ったのかもしれないし、ツイッター自体やめたのかもしれないし、そもそも二次創作から撤退したのかもしれない。
とにかく作家のおっぱいを見ることが出来ない。作家のおっぱいが忘れられない。秋にジャンルのオンリーが開催される予定なので、作家がそれに参加してくれれば良いのだが、今のところ出来ることは「祈り」しかない。
別に恋愛感情を抱いているわけでも性欲の対象として認識しているわけでもないのだが、どうしてもあの作家のおっぱいが気になってしまう。もう一回見たいし、できればどうにかして忘れたい。
推定何カップなの
俺も見に行きたいから何のイベントか教えて