それが創作性を持つのかは別として、スマホアプリというのも同人的に作っている人が多いジャンルだと思う。ゲームだったりツールだったり、色々なサービスの野良アプリだったり。(一昔前にはTwitterクライアントが雨後の筍のように生えていた)
無料で広告も付いていない、企業の後ろ盾もない、ただ作りたい人が作りたいから作った、という点では同人と言えると思う。
ただ、スマホアプリなので即売会なんてものはなく、AndroidならPlayストア、iPhoneならAppストアに普通の企業製アプリと一緒に転がっている。
そんな同人アプリは、星の数ほどあるスマホアプリの中からどうやって探されるのだろうか。
大多数のユーザーは、ストアで検索して一番上のアプリを選んで終わりだ。中身なんて大して気にしちゃいない。では一番上のアプリはどう決まる?DL数と評価だ。
星1から星5までの5段階で選ばれるあの評価だ、と言われてもピンと来ない人も多いだろう。なぜなら、誰も評価を付けないからだ。自分の4桁DLのアプリの評価数は10個以下。まあこれは当たり前の話で、使ったアプリをわざわざ評価なんて誰もしない。アプリを好きになったり感動したりする人間は変わり者だ。
しかし、いつもは評価を書かない人間が評価を書くことがある。アプリが使えなかった時だ。
アプリが使えない、そう一口に言っても色々な原因がある。アプリのバグだとか、ユーザー側のスマホが古いだとか、ホーム画面設置型のアプリをダウンロードしたのにホーム画面に置いていないだとか。
「アプリが使えない」と星1のレビューが付くと、アプリ作者はすぐに飛んでくる。平均評価が下がるからだ。平均評価が下がると検索ランクが落ちるし、星4以下のアプリは露骨にインストール率が落ちる(気がする)。
「アプリが使えないということで、ご不便をおかけして申し訳ございません。もしよろしければ、ご利用の機種と詳しい状況をお聞かせください。」平身低頭だ。ユーザーは神様。問題がなんとか解決すると、ユーザーは星1のレビューを星5とか星4にしてくれる。平均評価は守られる。一件落着。
まるで不具合解決クエストだ。成功すると評価が保たれ、失敗すると下がる。健全か?これ。
アプリ開発は間違いなく楽しいからやっているのだけど、字書きとか絵描きとかになりたかったな、とたまに思わなくもない。
蛇足だけれど、スマホアプリに高い評価を付けて喜ばない作者はいない。そのぶん星1レビューへの耐性が増えるから。中身は気にしてないけど、デザインを褒められると少し嬉しい。