2020-06-13

『Japonism』「music」論

初見では泣かなかった。ただ箸を持つ手を止めてあんぐりと画面を眺めていた。今までオタクとして様々なエンターテインメントを嗜んできたが、ここまで感情が揺さぶられる映像作品存在しなかった。

私は嵐ファンではないし、この映像を観て二宮和也ファンになったかと問われればそうではない。そうではないが、この映像を観続けることを止められない。初見では泣かなかった。二度目もただ馬鹿みたいに口を開けて見守るしかなかった。十数回目にしてようやく涙が溢れた。人間無限大可能性を感じた。

なんの可能性かと言うと、なんか、すごく申し上げにくいが、なんか、すごくすごくすごくすごく、セクシーなのである

すごく、セクシーなのである

私はあまりセクシーっぷりに泣いてしまったのである

ただ物凄く残念な事に、私は涙ながらにこの異常なセクシーさをDVDの持ち主や嵐ファンの友人に訴えたのだが、いまいち伝わらなかった。だから文で書く事にした。嵐のライブDVD『Japonism』に収録されている二宮和也ソロ曲MUSIC」がどれだけ異質で、我々に強く訴えかけるものなのかを。

私が「MUSIC」に対して述べたいのは勿論そのセクシーさについてだが、私は2、3回観て初めてその特性に気付いた。初見では分からなかったのである。というのも、「MUSIC」はぱっと見爽やかでポップで楽しいなのだ

どうしてそんな曲にどうしようもない量のセクシーを感じるのか。それはひとえにこの作品作品として作り上げられる際に意図的演出されたギャップにあると思う。

ライブ楽曲披露する時に必要な準備は、楽曲のみでなく、振付衣装小道具ライトスクリーン用のカメラなど沢山存在する。

MUSIC」の場合楽曲は先述の通り爽やかな歌詞で明るい曲調。

衣装フリル付きの白シャツに白いボトムスという、王道清潔感のあるものだ。

そしてこの楽曲の最大の特徴である小道具ステッキこちらも白で衣装との調和が取れている。二宮和也は曲を通してこのステッキを用いた軽快なダンス披露していく。

そのダンス振付が全てを狂わせる。

私はこのダンスの魅力について十分の一も満足に表現できない。ただもどかしい

全体的に無邪気な少年のような振付なのだが、所々に確実に意図的女性的でどこか挑発的な部分が挟まれている。どこかというかすごく挑発的だ。アメリカの一昔前の銀幕女優がミモレ丈のスカートを翻しながら踊るダンスに近い。

二宮和也の表情が一層この作品セクシー助長する。ウインクをしてみたり、顔をクシャっと歪めて笑って見せたり、口を大きく縦に開いて喜劇的にふるまったりする。

このダンスのお陰で先述の衣装ステッキ意味合いが変わってくる。全身白の衣装はそれを纏って踊られる振付のせいで「禁欲的」とか「汚される前」とかいった意味合い付与されてしまう。ステッキ懲罰的で、挑発的で、なんだか様子がおかしくなってくる。むしろステッキのせいでおかしくなっている部分もある。棒一本でこんなにもダンスの幅が広がるのかと驚くと同時に、こんなにもセクシーが止められなくなってしまうのかと恐ろしさすら感じる。

そしてこの作品永遠のものとして完成させてしまったのがカメラワークと編集だ。円盤化の際の編集担当者は本当に辛かったと思う。本当は画面を三分割にして二宮和也の表情と全身と舞台全体の引きを全部まとめて見せたかったと思う。どこも端折りたくない。でも商品として売る為には引きやアップを忙しく切り替えてそれっぽく見せなくてはならない。

結果、編集担当は十二分にその責務を果たした。二宮和也特にセクシー仕草や表情を絶対に逃さなかった。過去タイムスリップしてこの楽曲披露されるところを生で観たいとは思わない。私の中の「MUSIC」はこの編集ありきであるからだ。

構図が完璧すぎて、画面が絵として完成してしまっている瞬間があまりに多い。観客として席に座っていても(そりゃ生の臨場感と相まってそれはそれは最高のショーが観れるに決まっているが)この円盤に収録されている映像が観られる訳ではない。この映像ライブ円盤に収録されていながら一つのミュージックビデオとして完成してしまっている。

MUSIC」がおかしいのか私がおかしいのか、私にはもう分からない。何度観てもよく分からない量の「セクシー」に圧倒されて、頭上に?マークをいっぱい浮かべながら途方に暮れてしまう。人類すごいな。人類はなんてものを生み出してしまったんだろう。奇跡作品だと思う。楽曲衣装ステッキ振付カメラ編集と、後は二宮和也の圧倒的な「魅せる力」、どれかが少しでも違っていれば駄目だったと思う。どうしてこんな作品作っちゃったんだろう。一見ポップで可愛い素敵な楽曲致死量セクシーをこっそり忍ばせないでほしい。

顔を愛している女優は山ほどいるが、芸能人を好きになった事はない。アイドルにハマった事もない。普段は主に特撮方面活動している。ここまでこの作品を愛してしまったのは長物が好きだからか。電王ロッドフォームのデンガッシャーか。ウルトラマンベリアルギガバトルナイザーか。今となってはもう分からない。誰かの共感が欲しい。

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