性欲を消したいと思い、女性ホルモンに近いと言われる大豆イソフラボンサプリを飲み続けたところ、体の感覚が変わって怖くなった話。
昔から性欲が邪魔だった。オナニーを2日我慢すると体が震える。ペニスがイライラして、射精の事しか頭になくなる。かといって、放出したらしたで思考力は低下し、強烈な眠気で意識は飛び、あらゆる事に対する興味が消え失せ、ネットサーフィンをする芋虫になる。小学4年生で性に目覚めて以来、性欲は自分の人生の妨げであった。自分と同じように、性欲に支配されてきた人も多いだろう。性欲に動かされた人は、異性を求め、何だかんだ結ばれて次の世代を生み育てる。だが、自分の場合はそうはいかなかった。 現代では、魅力的でない男性が女性に性欲を向ける事は、犯罪とまではいかずともモラルに反するのである。
そもそもの話として、性欲は必要なのか?要らないのではないか?いや、性欲は人間が種を保つためには必要ではある。子孫を残すためのセックスへ向かう動力源として、性欲は必要である。
では、性欲は自分にとって必要なのか?これはNoだ。もし自分が将来子供を持つことが出来るなら、性欲はあると良いだろうが、自分にはその可能性は無い。自分は女性を嫌いではないが、女性は、自分のことが嫌いである。だから自分も、異性の肉体は好きだが、異性は好きではないとと思うことにした。異性との人間関係を維持するコストは大きすぎるし、リターンはつまらない話を気を遣いながら聞けるくらいだ。酸っぱい葡萄の話は知っている。失恋をした訳ではない。話題が逸れるのであまり語らないが、もう無理なのだ。ともかく、自分は異性と関わる可能性がない以上、子供を持つこともないだろう。結局、自分にとって性欲は必要ないという結論に至った。
さて、邪魔かつ必要ない性欲をどうしようか。除去できるものなら除去したい。そう願っていたところ、突然その日は来た。
大豆イソフラボンを聞いたことがあるだろうか。これは、大豆に含まれるポリフェノールの一種で、女性の美容に効果があるとされている。その原理は、大豆イソフラボンが女性ホルモンと似た働きをするからだそうだ。話は変わって、女体化、いわゆるメス堕ち界隈では、女性的な体になるために女性ホルモンを摂取することが知られている。女性ホルモンの摂取により、男性的な生殖機能や性欲は減退するそうだ。
これらを組み合わせると、大豆イソフラボンを過剰摂取すれば、性欲を抑えることができることになる。もちろん医学的に直接の根拠がある訳ではない。人の生殖能力を奪う実験など、倫理的に許可されるはずがない。
思い立った自分は、すぐに大豆イソフラボンサプリメントを購入した。Amazonで1500円でこんなにも簡単に去勢グッズが手に入るとは思いもしなかった。1日1錠のサプリメントを、朝、夕と飲んだ。
効果は絶大であった。ペニスのイライラは無くなった。爆発するような性欲は無くなった。爆発的な食欲も減った。朝勃ちも無くなった。オナニーはまだ1日1回しているが、以前のような勃起力はなく、射精の勢いは非常に弱々しくなった。実験は成功だ。性欲は確実に減退した。休日を自慰に耽って溶かすこともなく、ペニスと戯れているうちに朝日が昇る心配も無くなった。
が、少し怖くなった。自分の生殖能力は大丈夫なのだろうか。大豆イソフラボンの過剰摂取が原因で精子が作れなくなるかもしれない。しかし、問題が顕在化するのは、自分がつがいを作れた場合であり、その可能性は非常に小さい。だから問題は、問題ではない。大丈夫なのだ。
自分を虐めないで。
興味深い話だった