2020-06-01

ゆるふわアングラ世代から、顔の見えないツイッタラー

中学時代パソコンの授業でインターネットを使った時

みんなが自分の好きな漫画野球のページを見てる時に

自分だけこれみよがしに2chにつないでAAとかを周りに見せてたこ

しかも「このページって何?」って聞かれた時に「ヤバイ奴らの集会所みたいなもん」とか答えたこ

さら友達に2chへの行きかたを教えるためにヤフーで2chって検索させて

でてきたリンククリックして2chのトップページが表示された瞬間に

そいつの耳元で「Welcome to Underground」ってささやいたこ

2ちゃんねるの有名なコピペである。このコピペは「俺はアングラ人間なのだ」という中2病あざ笑う内容として読まれてきた。ただ、今となって思うのは、かつての2ちゃんねらー、延いては、ネット民全体にはある種のアンダーグラウンド人間としての自意識が隠れていて、痛いところを突かれたのをごまかすために笑わざるをえなかったんじゃないか、ということ。

かつてのネット民の中には自分たちがアングラ世界の住人だと指摘をされると赤面してしま自意識があった。もっとも、それは、非合法的な取引に使われるダークウェブとは比べようもない、ゆるゆるふわふわなアンダーグラウンドであった。所詮場末スナックで癖の強いママ相手にしながら大人になった自分に酔いしれる程度のごっこ遊びの域であるとはいえネット民の中ではたしかに共有されてるアンダーグラウンド自己像というものがあったように思う。その理念型(似顔絵)をいうなら「Winny余暇を過ごし、スナッフビデオを漁り、誰かを晒しあげ追い詰めることを日課とし、人の不幸で飯が上手いと満面の笑みをたたえて言ってのける人間である。それは負のイメージでありながら、居心地のいい吹き溜まりを作るための「俺たちはろくでもない人間なんだ」という仲間意識を共有するためのイメージであったように思う。

たとえば、当時の2chニュー速板(アフィ騒動を経て嫌儲と分裂し今や見る影もないが)で「人の不幸で飯が上手い」といったコピペが幾度もペーストされ、「お前らほんと最低だなwww」といったお決まりレスポンスが繰り返されていたことも、まさに仲間意識の共有であって、まるで人を殺すことを入団の条件にしているギャングイニシエーションのようでもある。

そして今日ネットでこうした共通意識に基づいたコミュニケーションが目に留まることがあるだろうか。ネットは変わった。とあるプロレスラーの死を発端として「在りし日のネット」を語る言説が飛び交った。たとえば、twitterで、たとえば、ネット生放送世界で(とりわけ、ネット生放送世界はやりたい放題の時代を経ているので隔世の感があるのだろう)、それは語られた。もはや、何でもありのネットは終わったのだ、と。

しかし、結局のところ、ネットの”何”が変わったのだろう。たしかに、ブログメディア確立mixitwitterといったSNSの登場、スマホの普及といった出来事を起点としてライト層が増えたのは事実だろう。もっとも、twitter上の政治クラスタではMMTベーシックインカムといった一般人には簡単には浸透しそうのないアングラ思想信仰されていたり、かつての頃よりはるか過激罵倒が飛び交っているように思う。変わったとすれば、やはり、ネット民全体が共有している自画像の有無なのだ。昔は、「どうしようもない人たち」というネット民としての自己認識があったが、もはや、そういった共通認識崩壊している。今の時代に「ネットはこういうものなんだから合わないならやめたほうがいい」なんて忠告をしたところで「それはおかしい。誹謗中傷はなくすべきだ」という正論が返ってくるのが当然になっている。

いわば、今日ネット民は「顔の見えない人たち」なのだもっといえば、ネット史における一つの世代としてとらえることができない人たちだ。国民中流という言葉と軌を一にして「若者」という言葉が多用されるようになったのと同様に、均一な人たちが想定されなければ世代論は語りようがない。かつてのネットには負のイメージを共有できるような日陰者としての均一さがあり、日陰者としての意識が負のイメージを生み出してもいた。また、それを外側から、「ネットの人たちは」という形で語りえた。

とはいえ、これから、顔の見えないツイッタラーは、誹謗中傷を許さな一般ピープルに置き換わっていくのかもしれない。今はそうした変化の過渡期にあるのだろう。そもそも誹謗中傷はよくないことだという正論のほうが圧倒的に強く、ありえないアングラな負のイメージが共有されていたことの方がおかしかったのだから。ありえない時代を見てきた世代からするとそうした変化が寂しくもあるが。

  • でもキモくて金のないおっさんを誹謗中傷して社会から排除するのは問題ないんですよねわかります

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