2020-05-29

あるネズミ港湾の近くの古びた建物に住んでいた。

建物にはネズミよけの猫がいたが、ネズミは慣れたもので、ときどき猫の寝床で見つかるサンマ干物を頂戴することもあった。

猫はときどきサンマ干物を貰ったり、くすねてきたりしていたからだ。

ある日、ネズミタラが食べたいと思った。でも市場人間自分には危ないし大きな魚を運ぶこともできない。

ところが、そこで閃いた。猫がタラを持って来るよう仕向ければいいんだ!

ネズミは決心して、次の日、市場に行く猫を尾行した。

市場に入ると人に見つからないよう、でも猫には見つかるようにして、猫に自分を追いかけさせた。

そして苦心惨憺しながらも、どうやら猫をタラ干物の箱の近くにうまくおびき寄せた。どうだいこの見事なタラ

ところが猫はタラに興味がなかったようだった。あとで寝床に持ち帰ってきたのはやはりサンマだったからだ。

ねずみがっかりした。またサンマか。ウラジオストクじゃないもんな。

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