もう1人子供がほしいね、なんて言いながら半年に渡って妊活に励み、お腹に赤ちゃんがやってきたのは年末頃だったかな。
妊娠中の様々なリスクについては医療ドラマや漫画で妄想した。妊娠中に交通事故に遭ったら。お腹の赤ちゃんに異常が見つかったら。流産のリスク。なかには、私と同じ持病の妊婦が突然死する話もあったし、当時の私と同じ週数で早産してしまい治療の手立てもないような救いようのない話もあった。それでも、「妊婦にはそういうリスクもあるんだな。なるほど」と思って、自分に置き換えてイメトレするなどしていた。(メンタルが心配な妊婦さんはコウノドリとか見ないほうがいいよ。)
妊婦健診の付き添い不可。出産時の立ち合い不可。入院時の面会不可。母親学級も中止。感染に怯えながらの電車通勤。通常営業を続ける会社。(初産婦さんは私よりさらに心細いのでは。)
妊婦は立っているだけでしんどい。だから通勤中も電車の席が空けば座りたいんだけど、否が応でも隣の人と肩がぶつかる。ソーシャルディスタンスとは。色々考えた末、絶対に転ぶまいと思いながらつり革にもつかまらず、空いているスペースに仁王立ちで踏ん張って電車に乗り続けた。お腹が張って辛かった。
上の子の保育園が休園になり、やっと会社を休めた。在宅勤務不可の職種ゆえ、上司に頭を下げて休業が許可された。でも、本音を言えば、保育園の休園が解除されたとしても出産までずっと休みたい。もちろん無給で構わない。
妊婦が感染した場合のお腹の子への影響は未知数。万一感染して、症例として観察されて論文になるなんて御免だ。それに、もし私たち夫婦が感染したら、上の子の面倒を見る人はいない。
だけど、私から休みたいなんて言えなかった。私は管理職で、部下は私が家にいる間も真面目に働いている。部下の中には妊婦もいて、彼女は感染に怯えた様子も無く出勤しているらしい。休業中の私は特別休暇扱いゆえ、部下たちよりも給料が高い。もっと休みたいなんて言えない。
先日、保育園の休園期間の延長が発表されて、私はまた上司に頭を下げた。口では大変申し訳ないと言うし、なんなら電話越しに泣きそうになったが、正直ホッとしている。