2020-03-03

国会での野次について

 202/03/02、松川るい参議院議員国会にて「高齢者は歩かない!」「親が仕事休め!」という野次飛ばしたという情報が。前者は実際蓮舫議員の質疑を見ていて、野次のものは聞こえていなかったが、直後に蓮舫議員が質疑で触れたので知っていた。後者については記事の類にはまだなっていないが、塩村あやか参議院議員Twitterでそう報告している。

 2020/02/27、棚橋泰文衆議院予算委員会委員長に対する解任決議案が提出され、主旨演説に立った立憲民主国民・社保・無所属フォーラム会派本田平直議員演説の中で、国会での野次についてのくだりが個人的面白かったので書き起こしをしたので読んで頂きたい。

===ここから===

 この際、せっかくの機会ですから国会における野次について私の考えを述べさせてください。

 もちろん私の会派内、ましては日本共産党さんにはご立派な野次をしない方もたくさんいらっしゃるので、会派意見ではありません、私の考えであります国民の皆さんの中には、野次について、ま、学校教室になぞらえ批判をされる方もおられます。私も野次が少ない方ではありませんので、お叱りを受ける場合もあります。まだまだ私は野次は議場の花と言われるような、当意即妙歴史に残る、多くの方が納得するような野次ができているとはとても言えません。

 しかし、私個人議会を正常に運営するために、野次必要な場面や野次が役立つ場面がやはりあると考えています

 まずそもそも閣僚が答弁ができなかったり、質疑が噛み合わない場合です。理事協議を求めてる場合などに、速記時計を止めないなど、委員会上が明らかにおかし場合特にそうです。私が抗議の声を上げることで、ようやく棚橋委員長も、1分2分遅れて速記を止め、私が声を上げてようやく、質問者質問時間を守ることができました。これでも野次おかしいですか?

 審議打ち切り強行採決などの際の抗議の声はもちろんです。

 また、本会場で我が同志の森山裕之君がよくやりますが、法案問題点を端的に指摘する野次などは、私も聞いていて大変勉強になります。我々は当然自分所属委員会や関心分野の法案には詳しいですが、この場で採決に臨む際に、全ての法案に詳しいとは限りません。こうした法案に対する、「それはおかしいじゃないか!」こうした野次は、セレモニーになりがちな本会議を活性していると私は考えています

 さらに、もう一つ許されるべき野次は、立法府にチェックされるべき行政府閣僚の答弁が論理的ではない、整合的ではないなどの場面です。事実ではないそういう場合です。我々は、みなさんもお気づきだと思いますが、政策方向性が違うからといっていちいち野次ってません。お気づきだと思いますが、委員会与党の皆さんが質問する時には野次ってません。我々が野次ってるのは、政府おかしな答弁に対してです。

 それに対して、与党の皆さんは同じ立法府の仲間である我々が質問をしている時に野次ってるわけで、全く整合性がないと思ってます

 ま一方で、野次もいい話ばかりではありません、当然慎むべき味もあります。単なる誹謗中傷はいけませんし、結局どなたが発言たか名乗ってませんが、先日の選択夫婦別姓をめぐる質問の際の、「だったら結婚しなきゃいいじゃないか!」とか、沖縄で相次ぐヘリ事故の際の、「それで何人死んだんだ!」など、実際にその問題で苦しんでいる国民がいる問題での心無い発言は論外だと考えます

 少し、棚橋方式を改めてきちんと読ませていただきます。(( 筆者注: 棚橋委員長は、わざと極端にゆっくりと名前を読み上げる場合結構あり、それを与党の皆さんにも体験していただきたいと、ゆっくり目に演説をしていた/脚注記法機能しないぞどうなってんの? ))

 私が大問題だと考えるのは安倍政権で顕著な閣僚から野次です。本予算委員会での安倍総理から辻本議員への野次本来謝罪では済むものではなく、懲罰になってもおかしくない発言です。

国会、極めて不公正な棚橋委員長でさえ、閣僚から野次への注意を15回以上もしています茂木外務大臣などは常連で、質疑が紛糾すると全く所管外にも関わらず、ここは俺がとでしゃばります

 特にひどかったのは、違法検事長の定年延長のせいで、支離滅裂な答弁を強いられた、ある意味お気の毒な人事院局長の答弁後、背後からパワハラまがいに「帰れ帰れ!」と指示。人事院内閣から独立した機関で、ましてや局長外務大臣の部下ではありません。国会がどういう目的で、行政府の皆さんを国会にお呼びしているか考えれば、閣僚から野次などあり得ないと思います

 野次ではありませんが、総理が審議の中で民間のお寿司屋さんの名前を、私が数えただけでも24回も意味不明に繰り返しながら、野党議員を嘘つき呼ばわりするなど、委員会品位は大きく傷つきました。棚橋委員長が制止すべきは野党議員発言のいちいちではなく、これらの総理閣僚野次や、不適切発言だったことを強く申し上げたいと思います

===ここまで===

 冒頭で触れた松川議員の2つの野次は、本田議員が指摘する「実際にその問題で苦しんでいる国民がいる問題での心無い発言」にほかなりません。高齢者施設において、コロナウィルス差し迫った命の危険に直結する問題ですし、自由休みたくても休めない親達への想像力に欠ける発言言語道断です。

 個人的には、野次不規則発言を完全に排除してしまうと、明らかにおかし発言議会運営が傍目に分からなくなってしまい、見る側にとっても不利益が大きいと考えます。一切の野次が許されないため、閣僚の滅茶苦茶な答弁がすっと流されたり、棚橋委員長のような不公正な裁定スルーされてしまうのはもはやディストピアです。本演説中、与党サイドから野次は飛んでいます動画が挙がっていますので確認したければしてみてください。自分議員発言議員野次飛ばしてもいいと思うし、どこに野次が飛ぶかどんな野次が飛ぶかも興味深い、必要悪であり、必須のものだと思っています

 塩村議員に、Twitterで「野党野次は数えた?」などと絡む人がいますが、議員は「やじが悪いというより、内容がまずいのです。」と一刀両断しています自分も全く同じ考えです。

 与党支持者かつ、野次絶対さないという方は、これから自民党がまた下野した際にも同じことが言えるか、過去民主党政権時に野次が完全に許されなかったらどうだったかなど、想像してみてください。

 自分は勿論、どこが与党でどこが野党でも野次必要悪であり、かつ必須のものだと断言します。勿論不適切野次はあり、国会内での発言である野次責任が伴う事は付け加えておきます

  • 与党支持者だけどそもそもなんでそんな綺麗な議会を望むの? 思ったこと好きに言えばいいやんけ いい悪い判断するのは選挙結果のみでいい 馬鹿アホカスどんどん言えばいい 野党議員...

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