21歳の松島くんを一度も見ないまま22歳の誕生日を迎えた。今年も変わらずケーキを買ってお祝いしたけど、毎年のようにオタクみんなで集まってわいわいとはしゃぎながらお祝いする誕生日ではなかった。1人でケーキを買って、1人でロウソクをつけて、20歳の松島くんの写真を添えて22歳の松島くんのお祝いをした。
もう戻ってこないかもしれないと覚悟したその時の私の気持ちにブレはない。
会いたい気持ちと、会えなくても大丈夫にならないといけないって気持ちはずっと変わらない。
松島くんが好きだからこそ、彼が幸せに生活できるならそれで良いし、欲を言えばそれがSexy Zoneであったらいいなって思うけど、またつらい思いをするならもう良い。
松島くんのことを傷つけた何かを知りたくて、大学の卒論はアンチについてを書いた。どうして友達や知り合いでもない誰かを傷つけることができるのか、逆にどうしてそのような他人からの言葉に傷ついてしまうのか。世の中に出ることはない卒論だけれど、私が彼の休養と向き合うために必要なものだった。
松島くんが病気になったこと、松島くんがいろんなことを気にする性格なのはわかっていたはずだったし、そういう誠実すぎるところが好きだったし、病気になったことはつらいけど、たぶん、病気になってしまう松島くんすら好きだった。考えすぎて悩んでしまうところは心配だったけど、それほど仕事に向き合って、自分や悪口と戦うところが好きだった。病気だって、松島くんの個性の一部で、きっと私が好きだった松島くんの部分の延長線上に病気はあった。
休養を発表されたとき、涙は止まらなかったけど、なんで?とはならなかった。いつか壊れてしまうんじゃないか、と思っていた。できればそれが来なければ良いなって思っていたけど、その日は来てしまった。それが早かったのか遅かったのかは分からない。
口では松島くんがもし戻ってこなかったとしても受け止めるつもりだ、と、覚悟している、と、何度も言った。
けれど、この1年で夢に出てくる彼は、ステージ上に立つ姿だったり、ブログを復活させた彼だったり、全部"戻ってきた彼"だった。深層心理ってこわい。
どれだけ強がっても、私は心の底からアイドルの彼が好きで、泣いてすがってでも彼がステージに立つところが見たくて、5人でトップになるところが見たいのだ。
4人の新曲が決まるたび、羨ましいと思う。彼のいないSexy Zoneが、こんな素晴らしい曲を貰っていることに羨ましさと悔しさを感じる。前からずっと願っていたカメラマンとの仕事も、何故もっと早く見つけてくれなかったのかと悔しかった。みんなが言う最高に私の最高はなかった。
私は後にも先にも彼以上にアイドルな人を知らない。私が彼以上に好きなアイドルはいない。私の最高は彼がいつも更新した。
私は今も、最高が更新されるのを待っている。