2020-02-28

コロナ記 2020

家に籠もり始めてから四日が経った。

 

チャットツールでは仲間の賑やかな声や仕事の依頼が飛び交い、皆それぞれ無事だということが伝わってくる。

一方でテレビネットニュースからコロナウィルス危機がけたたましく報じられ、さもこの世の終わりだとも言いたげな様相だ。

 

しかしそれでも、おかしなことに、窓から見える街頭や電車内には人が溢れている。

彼らはコロナウィルスが怖くないのだろうか、それとももっと恐ろしいものに急き立てられているのか。

 

それは何なのか思いを馳せてみるが、籠城の身にはウィルスよりよっぽど現実感がないもののように感じられた。

 

つかこうして

つかこうして、人類は息絶え、自分ひとりだけが残るのだろうか。

よっぽど現実感がない妄想が頭を覆う。

 

チャットツールが音を立てて仕事の依頼を伝え、私ははたと我に帰り急ぎ返事を伝える。

結局同じなんだな、と思わずくすりとしてしまう。

 

卓上のグラスに残った氷が、暖房に温められからんと静かに沈んだ。

  • チャットツールでは仲間の賑やかな声 統失は病院に行こう

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