この世界には2種類の人間がいる。私の姉と、それ以外の人間だ。
脚立をダクトテープで2つ連結して屋根の上に登った姉は、ジャガイモのような形の物体を天にかざしてパーリ語で『正精進』と叫んだ。これは大著述家ベンジャミンフランクリンの提唱した十三徳にも共通している。姉が中学に入学した時もそうだった。「空の空。すべては空。日の下で、どんなに労苦しても、それが人に何の益になろう」そう言ってバケツいっぱいの蕎麦粉を男子トイレにぶち撒けたのだ。生まれた人は皆死ぬ。しかし法と律は残すことができる。吸水性の高い蕎麦粉はトイレの臭気を吸い、911の後に米国を覆っていた閉塞感を吹き飛ばした。
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