2020-01-30

20年前の旧司法試験受験生がいまさら行政書士試験を受けてみた (後編)

https://anond.hatelabo.jp/20200130105418

この文章の続きだ。

ラストスパートの日々 10月19日11月9日

時間がなかったので、このあたりは本当に真剣勉強してた。超直前期に関しては、何日か会社を休んで取り組んだ。行政法に関しては、pdfテキストを何周もしていくうちに、相変わらず全然意味がわからない箇所が出てきたりするので、ようやくネットで調べたりもした。これはけっこう良くて、行政書士試験レベル行政法知識に関しては、ネット上にすごくうまく説明してくれている人がたくさんいる。とても役に立った。

最後の二週間くらいから、条文素読時間が長くなっていった。具体的には前述の通り、憲法(1条から8条まで。それから統治は全部。これだけ)と、あとは行政法だと、行政手続法行政代執行法行政不服審査法行政事件訴訟法国家賠償法。とりわけ行政手続法行政不服審査法行政事件訴訟法

試験前日(11月9日)は、行政手続法行政不服審査法行政事件訴訟法を全部一度通読した。

ちなみに、最終的にpdfテキストは、憲法4周、民法5周、商法2周、行政法10周、基礎法学不明一般知識7周だけやった。これは試験勉強期間を通じた累計回数ね。

試験当日 11月10日

上智大学試験会場だった。俺は昔から試験当日はほとんど勉強しない。フレッシュな頭で試験にのぞみたいからだ。とはいえ試験2時間くらい前に四ツ谷駅についたので、いちおう条文でも読もうかと思い、駅のところのBECKS(だっけ)で条文を少しだけ読んだ。気になる箇所だけね。

それから試験時間くらい前に試験会場に到着して、席の場所を把握して、あとは会場建物前の階段のところでずっとストレッチをしてた。これも昔から試験前の作法だ。長い試験中の身体ストレスを軽減するために、念入りにストレッチをする。

目の前では、行政書士試験界ではおそらく有名人なんだろうと推察される男性女性が、なにやら撮影をしていて、ときどき通りがかった受験生握手を求められている。

うそう、試験会場は時計がないとのことだったので、この日のために100円ショップで腕時計を買ったんだぜ。

試験中 11月10日 13:00~15:15

スタートから良い感じで順調に解いていった。過去二回の模試とは比べものにならないほど、確信を持って進めることができた。一般知識を含め、3問から5問くらい、伊藤塾の全2回の模試で出た知識が役立った。模試は完全に受けて正解だった。

15:15に途中退席して試験会場を出たけど、たぶん合格してるだろうなと思った。

合格発表 1月29日

合格発表日がいつかについては、スケジュールに入れていたので覚えていたものの、当日は普通に会社仕事をしてミーティングをこなしたりしているうちにすっかり忘れていて、15:00くらいに、「あっ、そういえば合格発表確認しないと」と思ってサイトを見たら合格してた。合格してるだろうとは思っていたけど、やはり安ど感はあったね。来年また同じことをするのはちょっと嫌だったし。

その他、雑感など

試験の難化傾向について

行政書士試験は難化が進んでると聞いていたけど、これはたぶん本当だ。20年くらい前に合格した人たちから、楽勝の試験だと聞いていたけど、想像よりはずっと勉強しないとダメだった。だいたい、昔はテキストもすげー薄いやつしか存在しなかった気がする。

模試は受けるべきかについて

上のほうにも書いたけど、模試は受けるべき。その時点での自分の状況を知ることができるから勉強方針を調整していけるし、何より、予想問題としての価値が思ったよりあって驚いた。

・条文を読むべきか否か

行政書士試験勉強ブログなんかを見てると、「条文は読むべきか否か」みたいな議論があるのがわかる。こんな議論がある時点で、司法試験とは比べものにならないレベル試験しかないなとは思うんだけどさ。行政書士試験については、これまた上に書いたけど、憲法(1条から8条まで。それから統治は全部。これだけ)と、あとは行政法だと、行政手続法行政代執行法行政不服審査法行政事件訴訟法国家賠償法。とりわけ行政手続法行政不服審査法行政事件訴訟法は読むべきだ。

そのほうが勉強効率が良いからだ。

だってさ、これらの法律に関しては、行政書士試験問題って条文知識そのまんまのものばっかりなんだもん。それってつまり、事前に正解が記入された解答用紙を読んで良いって言われてるようなもんじゃん。読まないでどうするの? って思う。

記述対策について

何も特別対策はしてない。行政書士試験記述問題なんて、ふつう行政書士試験勉強をしていれば解ける程度のものしかないもん。逆に、全然解けないんだったら、それは単に勉強が足りてないだけだ。お前は元々法律勉強をしていたからだろだって? ちがうね。今回はじめて勉強した行政法についても記述対策なんて全然してなくても問題なかったぜ。過去問を見ていると、ほんのごくまれ行政書士試験にしては難しすぎるだろってのが混ざってたりするけど、単にその年の受験生が不運だってだけの話であって、対策してどうにかなるもんじゃない。

勉強しすぎ問題について

司法試験受験していたころ、早々に合格した連中が口をそろえて、「手広く勉強すべきじゃない。コアの部分をゆるぎないレベルにしておけば問題ない」みたいなことを言ってた。でも、俺は当時その意味がどうしてもうまく理解できなくて、けっこう手広く色んな本やらテキストに手を出しちゃってた。それが今回、だいぶ長い時を経て、行政書士試験を受けてやっとなんとなくそ感覚理解できた。

行政書士試験に関する色々な勉強ブログを読んでいると、公務員試験テキストに手を出している人とか、行政法の基本書に手を出してる人とかたくさんいる。でも、声を大にして言いたいけど、そんなに色々やる必要はない。総合テキスト過去問と模試問題。これを基本として、わからないところはネットで調べればじゅうぶんだ。

最後

そんなわけで、ここまでダラダラと書いたけど、何かみんなの役に立つ内容を含んでいたとしたらうれしいよ。じゃあね。

採点結果が戻ってきた 1月31日

208点だったよ。

記事への反応 -
  • この文章は、20年ちかく前に、旧司法試験の択一だけは3年連続合格した、今は40過ぎの俺が、4か月ほど勉強して令和元年の行政書士試験に合格するまでの軌跡を書いたものだ。 こういう...

    • 旧司が100だとすると宅建が3くらいで行政書士が5くらいだろ

  • お疲れ様 そりゃロースクール生が片手間に受けても受かるわな。増田も司法試験をあきらめた直後に受けてたら、もっと余裕だったのでは? というか司法試験受験生(合格者不合格者、...

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