2020-01-07

クソみたいなデータ復旧会社にいたけど、周りの評判ほど悪いことはし

もう退職して長いのでフェイク入れながら見てきたこと、体験したことを書こうと思う。

データ復旧がブラックボックス化したような業界なのはググれば出てくるから、そこは自分検索してくれ。

どこの会社基本的には、電話メール相談→初期診断(機器を預ける)→見積→成約→復旧作業データ確認→入金→納品、みたいな流れで仕事を請ける。

比較的高額な費用がかかること、データが必ずしも戻って来るとは限らないこと、初期診断や復旧作業の結果HDDの状況が悪化することがあること、復旧作業不透明なこと。これらの理由が束になってそれらがそうである理由お客様側に情報として共有されないから、余計に不信感が募る業界だと思う。

自分のいた会社は本当にブラックで、メンタルフィジカルボロボロになりながら働いていた。今も若干その後遺症があるくらい。でも、ネットに書かれている程の悪徳業者でもなかった。

ブラック実態としては、朝8時~深夜0時までオフィス缶詰め。昼飯はアルバイトに買ってきてもらうのがやっと。毎日罵詈雑言を浴びせられ、罵られ、時には全体集会で吊るしあげられる。会社の中には流行があって、順番に誰かしら集中的に経営者から非難される。一方で、集中的に称賛される人もいる。罵られる番が来ると最悪で、二週間くらいはずっとターゲットにされる。称賛される側になると、タイミングが良ければインセンティブが入る。ちなみにインセンティブが貰えるのはほぼ営業人達で、マーケエンジニアCSなんかは殆どもらえていなかった印象。月の休みは実質2日~6日程度。これだけ働いても年収は額面で300万ちょい。そのくせ会社の近くに住めと勧めてくる。もちろん生活破綻していた。

ただこれは当時の話で、今はどうだか分からない。

久しぶりにサイトを見に行ったら、職種によっては給料の条件が良くなってたし。

こんだけブラックな働き方をし続けてた理由ひとつで、兎に角洗脳されていた。

お前は仕事が何たるかを心得ていない、なんでそんなことも分からないんだ、普通会社ならクビだぞ、なんて怒鳴られていた。毎日

でも、この人達、怒鳴りながらもちゃんビジネスとは何なのかという点について、普通ビジネスマンなら知っていることを根気良く教えてくれていた。朝礼とか終礼のタイミング仕事の考え方なんかを講義してくれていた。自分は屑だと思い知らされた上で、ここの経営者は面倒を見てくれる、みたいな。ここから外に出たら自分はやっていけない、と、当時は本気でそう思っていた。ただ実際、ここで学んだ事は今の仕事に活きている。全てが無駄ものではない。問題は、あの長時間労働低賃金パワハラの数々で、教えてくれていたことは正しかったんだなとそこそこ大きい会社転職してから気付いた。

まあ、モラル破綻した経営者ばかりだったんで、もう二度と近づきたくはないけど。

そんな感じで社員にとってはクソな会社だった。けど、お客様に対してはネットで書かれているほど悪いことはしていなかった。

ひとつずつ、書けるところを書いていく。

データ復旧には比較的高額な費用がかかる。

競合調査なんかもしてたけど、どこの会社HDD単体で大体5~30万。RAIDとか組まれてるとHDD障害があれば単体の復旧金額+RAIDの組み直し費用もっとかかる。これ、なんでかって、この業種はとにかくコストがかかるから

賃貸費用

人件費

設備費

広告

研究

賃貸費用なんかは、多店舗展開していれば余計にかかる。人件費もまあ会社なのでかかる。この辺りは他の業種と変わらない。

次に設備費物理障害対応している場合クリーンデスクだとかクリーンルームみたいな、無塵エリア必要になるのは誰でも分かると思う。更にそこに移植HDDストックストックが無ければ中古市場から必要HDDを探し出して購入しなくちゃいけない。物理障害の時はこれはほぼ必ず必要。そのストックの有無で復旧期間が長くなったり短くなったりする。自分のいた会社はこのストックの数がすごく多かった。だから物理障害でも復旧期間が短かった。有名な海外データ復旧業者なんかは預けて復旧完了まで二ヶ月とかザラ。でも、会社データだろうが子供写真だろうが、兎に角データの無事を早く確認したい人は多いと思う。そういう意味でもこのHDDストック必要

更に、預かったHDDから抽出した情報を復旧していく訳だけど、オリジナルHDDを使うと何かあった時に取返しが付かないことになるからクローンHDD作成してそれに復旧作業を行う。このクローンHDD作成用の器材にもお金がかかる。ただのデータコピーじゃなくて、01の情報をまるっと別のHDDに移すからHDDの容量が大きければ大きいほど時間はかかる。でもさっき言ったとおり、悠長に待てる人はそういない。だから、このクローン作成用の機材にも投資をする。あとはまあ論理復旧用のPCとかも当然お金はかかるわけで。それらのメンテナンスや買い直しにもお金はかかる。高い。とにかく高い。

それで次に広告費。

思い出してほしいんだけど、こういう緊急を要することが多い業界って、どこも広告を沢山出してるだろ。水回りとか電気周りのトラブル、鍵のトラブル。一番最初に目に入ったところに連絡を入れやすいのがこれらの業界共通点特に慌ててる人はとりあえず連絡を入れてしまう。だから、そういう人達の目に最初にとまりやすいように広告絶対必要だって目に入らなかったらそもそも検討すらしてもらえないから。SEO対策だってお金はかかるし、検索広告費用だってかかる。それに付随する別の広告メニューだってお金はかかる。「復旧しなくてもいいかな」「でも無くなると無くなるでちょっと心残り」「とりあえず見積だけもらおうかな」。こういう微妙心理人達は何度も長い期間をかけてサイトを訪れる。必ずしもブックマークをしてくれる訳じゃないから、その度広告費は嵩む。つまるところ、広告宣伝費がものすごいコストになってる。

最後研究費。

今この業界がどんだけのものを復旧できるかは知らない。

だけど、昔より出来ているとしたら、それは他業種や研究機関連携して実際に研究を行っているから。

未来への投資は、何処の会社にも必要だと思う。

HDDの動きを制御するのにファームウェアの解析も必要だし、HDDは型番によってもちろんファームウェアが変わる。

更に出荷時期によっても変わったりするから、やっぱりこういう情報を予め多く手に入れておくためにも、希少価値の高いHDDを入手して、解析しておく必要がある。

データが必ずしも戻って来るとは限らない

初期診断でデータ復旧できるって言ったのにできなかった!って憤慨する人が多い。俺もお客様だったら怒ってると思う。できるって言ったのにできないってなんだよ!って。

でもこれ、仕組的には仕方ないことだっていうのは分かる。

初期診断って、物理障害論理障害かの診断をして、論理障害場合HDDの中で何が起こっているかまで確認してから診断結果を出す。物理障害お客様許可なしにHDD開封することはできないから、音だとか挙動アタリをつけて、診断結果を出す。

ただ、それでも復旧できないのは、論理障害場合、実際に復旧作業をしてみたら、データ領域に別のデータが書き込まれしまっていたりして、必要データがとりだせなかったりする。データ復旧業者が復旧ソフトを使わないで、というのはこの辺が理由

物理障害場合は、実際成約してからHDD開封してみたら、思ったより症状が悪かったりする。これはもう明けてみないと分からない。悪いことに、スクラッチなんか起こっていたら、復旧の難易度SSR10連1回で出すくらいの難しさになる。

そして、ほかの業者に預けたHDDを別の業者にもっていって開封してもらうと「前の会社作業痕跡ありすぎて直せない」なんてことも多い。一つの症状に対して複数の原因が考えられて、その原因に対するアプローチは多分会社によって違うから

ちなみに、物理障害場合物理復旧のあとクローンHDDを作って論理復旧をするので費用は高くなる。そして前述のとおり、クローンHDDを作って復旧作業をしようと思ったら、必要データ場所に他のデータが上書きされていたり、BADセクタ大量発生したりいていて、復旧できない、なんてことも。

初期診断や復旧作業の結果HDDの状況が悪化することがある

初期診断で通電した結果、HDDにとどめを刺す、なんてことが無い訳じゃない(可能性として高いわけじゃないけど)。更に、持ち込みなのか郵送なのか知らないけど、やっぱり移動の振動によって何かしら起こることもある。

復旧作業でも、ここまでで何度か書いてきたけど論理障害だろうが物理障害だろうが、クローン作成必要になるからクローン作成によってオリジナルHDDの状況が悪化することもある。

でもね、これ壊そうと思って壊してる訳じゃないんだよ。俺ね、あんなクソなモラルの超低い会社にいたけど、エンジニアは本当にいつも一生懸命データを復旧しようとしてたんだ。嘘じゃない。これは誓って、嘘じゃない。

復旧作業不透明

これは仕方ないことなんだけど、復旧作業の内容は概要を伝えることはできても、詳細はお客様に伝えられない。

復旧技術こそが本来はこの業種の競争力から、他社に内容が漏れすぎてはいけない。

さっき書いたとおり、一つの症状に複数の原因が考えられて、その原因へのアプローチ会社によって異なる。

本来であれば業界として情報共有して切磋琢磨した方がいいのかもしれないけど、競争力が無くなるのはね、企業としてはリスクだろうし難しい。

期限を詰められるストレス

ここまで書いてきた理由に加えて、自分のいた会社では初めて問い合わせをもらってから入金までかなりお客様を急かす。

急かされる側はその時点で不快なわけで、そこに「復旧できませんでした」とか返ってきてみれば「HDD壊れてます」とかが加わればそりゃ不満は爆発する。

から、できなかったこと、悪化したことを悪い意味で捉えられて「壊された」って書くんだろうな、と。

HDDが壊されて返された、という言葉真意

でもね、書いてきたとおり、エンジニアがわざとHDDを壊すことはしない。

どんなに悪名高い会社でもそうだったんだから、どこの会社もそうだと思う。

よく、従業員経営者に扱われたとおりにお客様を扱う、なんていうけど、あんなにひどい扱いを受けていた当時でも、そんな風に悪い事をしようとする人はいなかった。だから、今もそうだと思う。

何より、わざと壊すにはその作業自体時間がかかるしその分人件費もかかる。機材も使う。

そこまでして壊して、会社になんのメリットがある?

大型のサーバー案件なんて、両手両足じゃ足りないくらいのHDDが入ってて、その復旧費用もやっぱりそれなりにかかる訳で。そういうのが月に何件も入ってくるんだよ。ぶっちゃけ個人お客様の分の復旧費用って、人件費なんかの固定費を更に乗せたら赤字なんだ。だから、成約しなかったお客様HDDにわざと何かをするなんて、それ自体が愚行なんだよ。復旧作業をしたHDD悪化してたのは、エンジニアが何とかして復旧しようとしたから。

業界全体が足の引っ張り合い

「でも、他の業者相談したら「あそこに預けると壊されて返ってくるから」って言われた」

なんて人も多いと思う。

データ復旧業界って自分がいた頃は本当に足の引っ張り合いだった。検索結果を見る限り、今も変わっていないんだと思う。

から職人気質エンジニアたちが多くて、そういう人たちが経営者になってるから自分より目立ったり、儲けたりしている他社が気に食わない。もともと仲間じゃなかった人が経営している会社が信用できない。

から、わざと足を引っ張る。ひどい時なんて、他社の年寄り社員が、個人ブログで自分がいた会社を罵っていたりした。事実無根の内容で。(どうして分かったかは察してほしい)。

古巣ゴリゴリ営業気質だったから、本当に他の会社に疎まれていた。技術だってあったのに、外面の雰囲気と、経営者唯我独尊なあの雰囲気が鼻についたんだと思う。

技術力があったから、そういう足を引っ張る他社を相手にはしてこなかった。でもね、離れてみて思うけど、やっぱり業界全体として醜いと思う。大手と老舗が違うのは仕方ないから、もうちょっと業界全体でうまくやれないのかね。

でもやっぱり悪徳感あるのは否めない

営業ゴリゴリと攻めてくるのでかなり不快なのは間違いないと思う。特に冷静に対処したい人にとっては。

それに加え、ここまで書いてきた情報なんて誰も知らないんだから、胡散臭く思われても仕方ない。

でもね、さっき言ったとおりわざと壊すことはしない。営業の脅し文句で何か言われるかもしれないけど、毅然とした態度で対応すれば大丈夫だと思う。

からどこに預けるにしても「壊される」なんてことはないと考えて、自分が信頼できる会社に預けてほしい。

自分HDDが壊れたらどこに預けるか?って訊かれたらそれは答えられない。データ復旧会社に世話になるのが嫌すぎて、自宅のNASと、絶対に失いたくない大切なデータだけはクラウドに預けてるから、お世話になることもないだろうし。

あとやっぱり嫌な気分になってくるので、この業界の今について調べる気力もない。

まとめると、クソみたいなデータ復旧会社にいたけど、周りの評判ほど悪いことはしてなかったよ(当時は)って話。

  • フェイクなので信憑性ゼロのゴミ

  • こりゃ商売にならんな

    • 長いから要約して ネットからネタコピペした創作やろいつものとは思った

  • 以前、相見積取ったら12万~50万までバラバラで笑った。   50万の会社は都内一等地に会社が有り、わざわざ社内見学までさせてくれたので、 こう言うところに費用が掛かってるんだろ...

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