昨年から欧州某所に家族で暮らしている。共働きで夫は日本人。子供一人。この国では同性同士で結婚もできるし、子供も持てる。
こちらに来てから、同性愛ファミリーやカップルのお家に家族でお呼ばれする機会があった。彼らは弁護士とか医師とかコンサル勤務とか、そういう世間的にはエリートの人たち。でも偉そうなところはなく、気さくで素敵な人たちで、一緒にいて楽しい。考えてみると、これまで日本で親しくしていた友人(あんまりいないんだけど)には同性愛者であることを公表している人はいなかった。私は同性愛について一般的な知識があるくらいで、実際にお家なんていう私的な空間に呼んでいただくのは初めて。
レズビアンのご家庭に家族でお呼ばれしてもらったとき、食事を用意してくれる様子を見ていたら、すっかりうらやましくなってしまった。二人とも一緒に料理に取り組んで、痒いところに手が届く感じでお互いをサポート。そうそう、以前留学していた時のルームメイトと料理をするときはこんな感じだった。気の合う女同士の気楽さ。お子さんも素直で可愛い。何しろよく気が利くお母さんが二人いる家庭だもの。
うちの夫は料理をしないし、見える家事も見えない家事も「気がつかなかった」とか言ってやらない。育児も子供と遊ぶ以外のことはあまりしない。明示的に指摘して、ようやく嫌そうに腰を上げる感じ。うちの夫も、家事や育児に一緒に取り組んでくれたらいいのにな。渡欧前にはストレスで私が爆発してしまい、夫婦カウンセリングを受けたいと夫に言ったんだけど断られたんだよな。うわ、我が家ダメだな。
うちの子も一緒にお邪魔して、楽しく過ごした。日本では同性同士の結婚はまだ認められていないけれど、こちらでは認められているし、同性を好きになってもおかしいことは何もないんだよと伝えている。いつか我が子がパートナーを紹介してくれるときに、同性のパートナーでも全然構わないよねとは子供の前で夫とも話している。
ていうかさ、親としての悪夢というのは、自分の子供が連れてきたパートナーの性別が何であれ、暴力をふるう人であるのに「でもあの暴力は愛ゆえで自分を正しく導くためだから」とか子供に言われることだろう。あとそのパートナーが喜んで人を騙す人であるとか。