富山県で傷ついて北上できない白鳥を見守るおじさんの特集なんだけどちょっとやばい。
おじさんは野生生物との距離感が十分に取れておらず、餌はやるわボートで漕ぎ出して近づいていくわ、挙げ句の果てに「自分は白鳥である」と標榜して「白鳥が白鳥を世話するのは当たり前のことである」と宣言し、さらに自分も腕を振って胸筋を鍛えている。
おじさんの「世話」のあり方は全く科学的なエビデンスに基づかず、自分のエゴだけで白鳥を見守る。
勝手に白鳥たちの再会に涙し、勝手に白鳥にペアがいることを切願する。
ものすごいエゴ。自然に仮託した人間の、むき出しのエゴである。
ある人は感動とも受け取るような内容で、ある人は狂気とも受け取るような内容。
この番組は、野生生物を見守る暖かな話と思いきや、おじさんの狂気と孤独とを晒す。
単に自然保護の認識不足でTBSはこの番組を作っていない。単純な批判は、まだ問題の入り口だ。