2019-11-18

レーベル運営小説投稿サイトはどれだけ生き残るのか

https://www.magnet-novels.com/info/184

2018年誕生し、そこそこの書籍化作品を出していて、そこそこ話題に上ることが多く、そこそこの急成長をしていると思われていた小説投稿サイト「MAGNET MACROLINK」が、頓死した。

開催中だった(書籍化前提の)目玉コンテストすらアボートしてのバックレに利用者は騒然としているが、そもそも問題書籍化した作品が全く売れずに採算が取れなかったことにあるため、そこからバックレざるを得なくなったこ自体ある意味当然と言える。

 

元々小説投稿サイト20年来の栄枯盛衰で、特に小規模運営サイトは立ち上がっては消えを繰り返してきた。

ただ「マグネット」は毛色が違い、なろうブーム以降に「商業レーベルがバックについて書籍化プロデビュー前提で立ち上げた本格サイト」が何一つ成果を上げずにポシャったという意味で、ケースとして新しい。

 

商業レーベル直営ないし運営参加している投稿サイトは近年ボコボコ立ち上がっているが、その流れを作ったのがラノベ界の大巨人KADOKAWAが我らがはてな社と組んで2016年に立ち上げたカクヨムであることは論を待たないだろう(先駆的事例はアルファポリスであろうが近年のものアルファポリスの後追いではなくカクヨムの後追いと思われる)

それまでの投稿サイト比較純粋な「インフラ」に徹していたのに対して、カクヨム以降の大型サイトは「プロ編集がついている」ことと「作者向けの手厚いサービス」を全面的押し出し差別化を図っており、また作者同士の交流が盛んなのも共通の特徴である

だが、結果的に見れば、現状それらのサイトはあまり成功していないように思われる。

いや、サイトが潰れるほど本が売れていないわけではない。カクヨム発の書籍などはそれなりに売れてはいる。が、角川ブランドでどうにか売っているという感じで、同時期になろうから角川が書籍化した作品と比べてどうかと言われると、正直苦しい。また、ネット小説市場のものの拡大もあって利用者が減っているわけでもなく増えているのだが、なろうと比べるとむしろどんどん差を広げられているというのが現状だ。なろうはまだしも正直ハーメルンにも追いつけそうにないのは問題だ。

 

ぶっちゃけ角川にしても講談社にしてもホビージャパンにしても、自社でサイト立ち上げずにそのままなろうで拾っていれば良かったのでは、という状態であるLINEちょっと毛色が違うがむしろ何をしたいのかが意味不明になっている。

 

原因と思われるものは色々ある。もちろんネットワーク外部性問題もある。

後発不利というのをともかくとしての最大の問題は、作者向けサービスが充実しており作者同士の交流も盛んな一方で、相対的に読者(いわゆる「読み専」)が少ないことである

マグネットが顕著な例であるが、読者がいないので読者の間で前評判が立たないし、そもそも読者がいないと読者需要を反映したランキング形成されないため編集個人眼力のみに依存してしま選考精度も下がってしまう。素人読者なにするものぞ、プロ編集様の目利きこそ至高、と思う人もいるかもしれないが、もしそうならラノベ業界において公募作品がなろう作品にボロ負けという状況は発生していないので現実を見て頂きたい。

まあそもそも論としては、本を買うのは読者なので、読者が少なければ自ずと本は売れない、という単純明快理解でも良い。

何故読者が少ないのかと言えば、これも割と明確である。前述の通り新興大サイトは作者向けサービスを充実させるような方針を取っており、つまり開発も運営リソースが作者側に全振りされている。また、作者同士の交流運営を挙げて推奨しているため、作者視点では賑わっているように見える。

だが、これは裏を返せば読者のため割かれるリソースが少ないということでもあり、また読者そっちのけで作者同士で評価レビューをつけ合う行為が横行するということでもある。実際、多くの新興大サイトは前者の理由で読者側機能が貧弱になりがちで(特に検索機能がどこもプア)、後者理由ランキングは読者需要からかけ離れがちだ。そうなると読者にとってはますます魅力のないサイトになり、運営にご意見要望するのは作者ばかり、というスパイラルに陥る。

 

今回ポシャったマグネット投げ銭機能など「作者が喜ぶ機能」を充実させた先駆的サイトであり、各レーベル運営サイトは今も同様の方向性で強化を図っている。行き着く先は作者同士でお金を投げ合うサイトである

大手出版社直営しているサイトマグネットほど派手にポシャるということはないであろう(事実上オンライン公募サイトとして残るであろう)が、実質的には徐々にフェードアウトさせながら結局なろうに集約されるのではないか、という気がしてならない。

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