2019-11-16

そして「愛情」という名の甘やかな「支配」について

理解の出来ない他者」としての親、そして「愛情」という名の甘やかな「支配」について

 他者論という観点から見れば、「誰にも否定されない絶対的な真理」を作り出すことは不可能である。一方で「他者」は、単に真理への到達を妨害する忌むべき存在というわけではなく、「私」を自己完結孤独から救い出す、「無限可能性」でもある。いかなる哲学科学数学を作り出しても、必ずその外部から「違う」と叫び叩き潰してくる、理解不能で残酷な「他者」が現れる。「他者」が現れるからこそ、自己自己完 結して停滞することなく、無限に問いかけ続けることができる。

 レヴィナスによると、「他者」は「理解されえない、言い換えれば包括されることが不可能ものである」とされ、「所有を、私のさまざまな権能を拒む」とされている。すなわち「他者」は、「私」(自己)の内面を切り崩し、空にし、「私」として安住することを辞めさせ、「私」を超えたものを求めざるを得なくさせる。

――エマニュエル・レヴィナス「他者論」

 最後に、くり返しになってしまうがまとめておこう。他者はいつでも私にとっては「理解きぬ不気味な存在」でありえる。その不気味さが同じチームのなかで突然浮かび上がることがあるし、理解という手法でそれを解決することはできない。むしろ、その「理解できなさ」こそが、一種の救いなのだ他人の心に踏み込んでいったり、他人自分を同じ存在だと思ってしまったりすると、正常な距離は失われることになってしまう。

 だから、互いに「理解できない不気味な他者」として関わり、そしてそれゆえに「共にいる」こと。わたしたちはそうした関係に満足しているべきだし、そうした関係にこそ価値がある。

――ティッシュ専用ゴミ箱2 「女児向けアニメで描かれる「他者の理解できなさ」について。あるいは、女児向けアニメは家族の問題とどのように向き合ってきたか。-『プリティーリズム』『プリパラ』を一例にして」

 友田は、折々に「ブライアン氏」が「真空」、すなわち、独りの状態になる必要があると言及していることに着目しました。対するセラピストは、その度に、中立または否定的に、これに応じていますセラピスト理論上は、非指示的であり続けましたが、一般西欧セラピストと同様、孤独状態もしくは真空状態治療効果について非常に熱心だったわけではないようです。

 友田の見解では、「人間というものの真の飛躍もしくは成長は、完全に一人ぼっちであるときに生起する。個人の飛躍もしくは成長を確かなものにするのは、何らかの人間関係においてか、もしくは現実の世の中においてである。がしかし、真の成長がおこるのは、現実人間関係においてでもなければ現実の世の中においてでもない」

 友田はさらに、「このことはまた、禅の真理である。(中略)カウンセリングに関して言えば、ロジャーズ派の技術の真義は、それらの技術がクライエントを援けて完全に一人ぼっちである状態になるようにすることである。」と続けます

―中略―

 母性的尽力的配慮相手を甘やかしたり、子ども扱いするものですし、父性的訓育的配慮相手支配したり、奴隷化するものしかないわけです。第三自我形成期(第三反抗期)を超えてレベルⅢの人格に到達することは、本人にとっても周りの人々にとっても、大変難しい困難なことでもあります

――新しい科学194「レベルⅢへの到達方法(続き)」

 若者たちは産まれなおすのだ。

 理不尽強制としてこの世に生を受けた幼子は、若者となり、己の意志でもう一度生誕を決意する。

 自分が何者であるかを胸に刻み、望んでこの世界に生まれた二度目の赤子として自分自身人生を歩み出すのだ。それは神聖なる契約であり、人はそうして連なってきた。それが人をいままで繋いできた。

 にゃん太はそれを守るためならば、我が身を灰にしても構わないと思った。ロンダークがそれを知ってくれるのならば、どんなことでもしてやりたいと思った。

――橙乃ままれ「ログ・ホライズン(Route43)」



世界、つまり親による絶対的かつ暴力的侮辱によって、人は育っていく

愛情という名の「自己犠牲」、それと表裏一体の過干渉という、そのさらに裏にある「自己憐憫・自己満足」は人を根腐れさせる

人は「干渉」に依って生まれ、生かされ、育てられる

それは、人に限らず、それは「環境」とも「世界」とも呼ばれる

あなたと私は違う

あなた世界ではないし、世界あなたではない

からあなた世界からの期待に応えなくても良いし、応えても善い


そして、世界というのは幻想に過ぎない

あなたの両の目が見て、耳で聞いて、触れ、脳内で像を結んだものけが世界」に過ぎない

それ故に、あなたが何と対峙するかすらもあなた自身問題である



いわゆる「毒親」と呼ばれる他者から支配の話である

@Gesu_Masuda

  • 自分などはどうでもよいが、子が差別を受けた! その未来など、どこにもない。 その吐き気をする憎悪だけが、目の前に転がっていた。 「嗚呼」 私は手で顔を抑えても、...

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