結論を言うと、現代の若者は世界に愛想をつかしており、救う価値が無いと思っている、ということである。
一方、資本階級である老人は、この世界は皆にとって素晴らしく、救う価値があると思い続けている。
映画、創作で人気が出るものは、その時代の二次創作である。ターミネーター・北斗の拳は冷戦時代の「いつか核が落ちて世界が荒廃してしまうかも」
という恐怖の二次創作として、読者は共感し、物語に入り込んだ。
どちらも来るべき運命を、救世主が救うというストーリー。当時の皆はこの世界は救う価値があるし、自分が上に立って救いたい、という救世主に憧れる思想があった。
当時は若者がそれなりに多かったし、世間の目も若者に向いていた。
しかしそういった作品も、冷戦が終わり、反戦的雰囲気が醸成されていくにつれ、
そこから最終兵器彼女やエヴァンゲリオン、スターウォーズwp1も、ある意味セカイ系に近い。のような、「大人の事情」によって子供が世界を救わされるという作品が幅を利かせてくる。いわばセカイ系と呼ばれる作品だ。
ここまでは、まだ現代が舞台で、この世界は救う価値があるかはわからないが、自分は英雄になって世界を救ってみたい、といわば中途半端な思想だった。しかし、スターウォーズやジュラシックパークが幅を利かせてきたように
「ここでないどこか」への幻想というものが生まれてきたのもこの時代なのではないかと思う。
そこから、異世界系の物語、ゼロ魔だとかが人気になる。千と千尋の神隠しもそうだ。「大人の事情」によって子供が「異世界を」救わされるという作品が表立ってくる。
しかしここまでは、この世界は救う価値があるかもわからないけど、戻る価値はあった。自分は英雄になって世界を救いたい、という思想は残っていた。
そしてそこから不良マンガが流行った。一種のパラダイムシフトなんかではないかと思う。
この世界は救う価値は無いが、少なくとも自分の周りの地域は救う価値はあるんじゃないか。地域の中の英雄くらいには慣れるんじゃないか、という思想。
しかしそれもすぐ終わる。不良が色々やらかしたのを見た人々は、反骨精神も、世界の価値も、英雄譚的物語も、現実だとしょうもなくくだらないものに見えてしまった。
全てが虚無でダサいものになってしまった。というより、不良は伝統と化した。
特攻服を買うのは一部の金持ちのボンボンの子だけで、不良的ツッパリも逆に今の教師世代からは推奨される始末。twitterで決闘の話が、守るべき貴重な青春物語として保護されるようになった。
そして現代に至る。景気は良くなってると言うけれど、肥えるのは中年の資本家だけ。若者は職にはありつけるが賃金は低い。年金問題がよく語られるが、それを見て解るのは
貧しい若者の金が、さらに肥えてる中年に吸われていく絶望的な営み。消費税が上がって、年金問題が解決すると喜ぶ老人たち。世の中にあふれる物語も、左翼全盛期の中年の為に用意されたポリコレばかり。
洋画もシリーズ物で興行収入を稼ぐものばかり。結果、なろう小説が流行る。
なろう小説は「行きて帰らない物語」だ。英雄になりたいとは思っても、ニヒリズムに溢れた主人公で、人の上に立ちたいという欲望は薄い。
この世界は救う価値が無くなり、英雄にはなりたいけれども、人の上には立ちたくない。自分の周りの大切なヒロインを守ってればそれでいい。
という価値観である。一億総るろ剣時代だ。皆を助ける事は出来ないが、自分の周りくらいなら助けられるだろうと言う世界観。
現代を救う話は、共感できなくなってしまった。むしろ現代を壊す側の方に感情移入してしまう。
天気の子が売れたのも、そういう世相を反映してるのではないかと思う。君の名はまでは小さな地域を救う話だったが、天気の子はセカイを壊す話だ。
ゼロ年代あたりで生まれたセカイ系の物語に対する回答、「一人の子供ですら潰して利用する世界に価値はない」という回答。
「何も知らないままで、知らないふりをしてる」豊かな人たちに「何も足さず、何も引かないでください」と訴えかける作品。
ジョーカーが人気が出たのも、そういう世相を反映しているからではないか。
現代を描くには否定的になり過ぎ、異世界を描くには肯定的になり過ぎる世界。この先はどうなるのだろうか。
異世界にすら絶望して、人一人、自分すら救えない話になるのだろうか。
ひょっとすると、ジョーカーは一種の異世界モノなのではないかと思う。兎に角世界を壊して、勝手に皆が英雄として崇め、ニヒルな笑顔でそれを見つめる。
結論を言うと、現代の若者は世界に愛想をつかしており、救う価値が無いと思っている、ということである。 んなわけない。終了。
君はこの世界に救う価値があると思ってるのか ターミネーターの新作見に行ってるの大体ジジババだよ セカイを救うリーダーになるなんて今時流行らない。 ああいうのは五寸釘ほなみ...
2018年漫画売上ランキング 1位 ONE PIECE 2位 僕のヒーローアカデミア 3位 進撃の巨人 4位 SLAM DUNK 5位 ハイキュー!! 6位 キングダム 7位 七つの大罪 8位 約束のネバーランド 9位 転生したらスラ...
横だがなろうって小説なんだから漫画ランキングにはそりゃ載らないだろとしか… 全部が全部コミカライズされるわけでもなければ、コミカライズ版が原作並みに売れるわけでもないん...
小説より漫画のほうが売れてるに決まってるじゃんw で「売れてるものは社会を反映している」論からすれば 数百万部を売り上げる漫画のほうが「社会を反映している」のは自明だがw
世界一面白い漫画はワンピースで 世界一美味いものはマクドナルド論言われても
じゃあやっぱり「売れてるものに社会が反映されている」論が間違ってるわけだよね。終わり。
これひとつ入ってれば大勝利的ラインナップだろ
それでも天気の子はハッピーエンドに終わる。 世界を救う価値はないが自分と自分に近しい誰かを救う価値はあると信じてるんだろうな。 そういう自己愛が強いのが今の世代でそこに訴...
ジョーカーの映画がまさしくそうじゃん。 人一人救う価値が無く、幻想だという事に気づいちゃう。 今の世代、誰とも付き合ったことがない人が増えてるんだよね まさしくそういう世...
anond:20191112124141
いまどき社会反映論(笑)
トッドフィリップスも新海誠も「現代の世相を反映させた」って言ってるし 実際それが売れてるんだから「社会反映論w」って言われても、そうです、としか言えないわな
最近の子は津波があったし台風も浸水も経験豊富だから 昭和生まれのもやしなどと比較にならないくらいたくましい 大正生まれで戦争に行ったり行かなくてもB29から逃げ回った世代と同...
「タピオカがブーム」という話を聞いてなぜか「最近の若者は米やパンよりもタピオカを食べているらしいがそれは若者の日本・欧米文化への失望と南米文化への憧れを反映しており…...
タピオカが流行ってるのは欧米文化より、台湾や東南アジアに若い世代の目が広がってることを示すってのは言えると思うんだが。 今時サンドイッチとバーガーなんてそこまで流行らな...
「欧米文化だけでなく台湾や東南アジアにも」なら同意できないこともない。 でもそうなると「社会が根本的に変わった!」って言いづらくなるから採用できないんだよねわかる。
仮定の話を掘り下げられてもしらねーわ、しか言いようがない。 統計でアメリカへの興味が減ってたりしたらわかるだろうけど。
台湾や東南アジアの食い物なんて昔から普通に定着してるので何を今更でしかないんだが