その直前くらいからセントルイスやツービートの人気が出てきて、それまでの「青春」「熱気」「根性」みたいなものが否定されて、汗をかいたり、なにかに一生懸命なのが笑われるという「冷笑的な」風潮になってきます。学歴が大事で、田舎者やスポーツやる人間はアホ、というように世の中の評価も変わってきたんです。
そういう風潮の中でとんねるずが出てきて、おれたちゃ「高卒」「体育会系」を売りにして、単純で馬鹿である、というのを売りにしたんです。自分らは「今やバカにされる存在の」体育会系の脳筋ですが何か、というスタイルで出てきたんです。
なので、私もそうだけど、とんねるずのファンは、あれらを「あるある!」とバカにして笑ってたんですよ。そして、それは彼ら自身も分かってたはずです。時代的に「自分らの」体育会系なスタイルが時代に合ってないと。だから、それを逆手にとって。ビートたけしがバカにしてたような「架空の人々」の実在バージョンとしてとんねるずは出てきたんです。