最初に言うが親を恨んではない。
しかし口には出さないが産まないで欲しかったと今でも思ってる。
醜悪な容姿、ガチャついた歯並び、頭から生える縮れ毛、運動音痴、痩せの多汗症、出来損ないの脳みそ、理解力も物覚えも遅く愚鈍な脳みそ、必要な事を忘れるのとケアレスミス量産が得意な脳みそ、発達障害扱いされる脳みそ、セカンドオピニオンでも健常者認定される脳みそ、低い口語能力、コミュ障、ついていけない雑談、聞き取れない人の言葉、理解できない人の話、ノイズ、打たれ弱く脆いメンタル、他人の笑い声に怯え、他人の怒鳴り声に怯え、ひといきれに怯え、ストレスを感じると湧き出す止まらない眠気。生きていて眠い。眠い。壊れた大脳が元に戻らないのはどうやら本当のようだ。それとも元から壊れてたのだろうか。
産んでくれてありがとうっていつか言えるようになるのかな。言いたいな。学生の時の楽しい思い出なんて何一つ無かった。幼稚園の頃から登園拒否気味だったらしい。同級生達の大きな笑い声が怖くて、中学校では何をしていたのか上手く思い出せない。
近所に住む同級生達は結婚し子を産む。俺は彼女いない歴年齢で、恋人どころか定職すらままならない高卒アラサー。卒業した高校の偏差値は39だった。きっと親に感謝することが出来ない俺の代わりに感謝しているんだろう。サンキュー。
親が俺を育てた苦労も、親なりに俺を愛してくれたことも、理解はしている。それでも感謝の念がどうしても湧かない。もしも戻れるなら精子に戻って他の精子に道を譲りたい、もしもタイムマシンがあったら若い頃の父の睾丸を叩き潰したい。そうして透けて消えていく自分の体を確認してホッとしたい。
アルバイトすらままならない、単純作業ですらままならない、生きてて自他ともに不愉快を与える俺は、どうすれば親に感謝できるようになるんだろう。
せめて気が狂って言葉や感情が壊れる前に、親へ心の底からの感謝を一言でも言いたい。
生まれたくなかった。