これ
https://note.mu/vino_cavolfiore/n/n98131f3f9bf5
を読んで、ブコメでもいろいろ書かれていたけど、お客さんの気持ちもわかるし、
結局のところ、これはお店とお客のミスマッチで、
元ツイートも要はただのミスマッチで事故みたいなものなので、気にせずに流せばよいのに、
なんで、こんなミスマッチが発生するんだろう?
といえば、やはりおとなの週末のようなグルメ雑誌や食べログのような情報によって、
誰もが一流店を知ってしまうことにある。
たとえば、一人5万するお寿司屋さんに、自分の金で行こうと思う貧乏人はいないわけだけど、
「パチンコで10万勝ったから東京一の寿司屋に行くか!」だとか
「いままで東京に来たことないおふくろが初めて東京に来るから、田舎にはないフランス料理を食べさせてやるか!」だとか
そのときに、自分の住んでる家の近くの寿司屋や(ビストロくらいの)フランス料理屋に行けばいいのに、
変に情報がいっぱいあるがゆえに、検索してそういう身の丈に合わないところに行ってしまうわけだ。
私見では、ないと思う。ただし、貧乏かどうかが問題ではなくて、客とお店の間にリスペクトや信頼関係があるかが重要。
今回の例でいえば、申し訳ないけど、リストランテでパスタしか頼まないとか、
高級レストランで龍のスカジャンで来るとか、そういうのはやはりそのお店や料理の文脈に沿っていないと思うのです。
文脈に沿っている、ということはとても重要なことで、「はいはい、また空気を読めってことね」と言われるかもしれないけど、
その通りなのです。
でも、美味しいお店を紹介してくれる先輩とか、いろいろと教育してくれるお店とか、
そういう経験で、なんとか少しずつ学んでいる最中。なぜなら、美味しいものをつくっている人をリスペクトしているからね。
それは向こうにも伝わるので、「(あなたがいまお金ないのは知ってるけどお金ができたら)今度はこれ試してみてくださいね」と言ってくれるわけだ。
横浜の店長も同じで、スカジャンの彼自身がお店をリスペクトせずに来てしまったことを自覚していたからこそ、
「今度はこういう格好で来てくださいね」って言おうとしたんだと思う。
逆に元ツイートの親子は不幸なミスマッチではあったけれど、「こっちはお金払ってる客なのに、なんでこんなこと言われなきゃいけないの?」というのが顔に出てたんだと思う。
もちろん元ツイート主はこんなことツイートすべきじゃなかったと思うけど。
あー、めんどくせーなーと思った人。
それなら自分も相手もいい気分で仕事したいですよね。だから、そのお店の雰囲気や文化を大切にしなきゃいけないんです。
そうじゃないと、ファストフードやチェーン店でいいじゃないですか。
食事なんてどこでもできるわけで、ファストフードやチェーン店は十分美味しいどころか、コスパを考えたら最強ですよ。
コスパ度外視で、エンタメ目的で行くのがレストランなのであって、やっぱそこには個々の、独自のルールや文化があってもいいはずです。
で、最後に。じゃあ、どうやってお客はそれを学ぶの?って話。
一番いいのは誰かに教えてもらうことだけど、それは難しいので、
まずは家の近くとか、一番大きな最寄り駅付近のお店に行くこと。
いきなりおとなの週末やら、食べログやらで東京1位の店に行こうだなんて思わないこと。
これほんとに重要。
そこで、自分にとって美味しいものとか、好みとか、新しいものを試したときの面白さとか失敗とかいろいろ学ぶから。
で、新しいお店に入って、頼み方やルールがわからないときは、お店の人に恥ずかしがらずに聞こう。
でも、予算がよくわからない場合があるので、多めにお金を持って行った方がいいと思う。
次に、お店の人におすすめを聞こう。たぶん一番高いやつを進められるかもしれない。
そうしたら、それを頼めばよいし、それが美味しくなければ、その店はその程度ということで二度と行かなくてよい。
これが勉強代ってやつだ。
だんだんそうやって慣れていくことで、その手のお店に入っても、特に緊張することなく、自分の好きなものを頼めるようになる。
元ツイートのお店だって、もしよく通っていて、常連になっていたとしたら、
「今日はあんまりお腹すいてないから、軽めの食事がしたいんです。パスタだけ頼んでもいい?」って聞けば、
快くOKしてくれたんじゃないかと思う。だって、いつもはお店の文化を知ってくれてる良いお客さん(これは金払いがよいお客さんというわけではない)なので、
それくらいのわがままは聞くと思うよ。リスペクトされてることお互いに知っているわけで、信頼関係があるんだもん。
お金が全てじゃないよ。
これらは「こだわり」でもないと思うよ。
そうではなくて、マッチ・ミスマッチをはっきりさせるための一つの手段。
10年位前にある先輩に連れて行ってもらったレストランのジビエは本当に美味しかった。
かなり背伸びしたお値段だったけど、払ってよかった。一つ自分のレベルが上がったなって思った。
たしかにそういう部分が多くある。美術館に例えるのは、格式が高すぎるかもしれないけど、
そういうところに行くのに、いきなり行っても面白いけど、
少し美術史を勉強してから行くと、もっと面白いじゃないですか。
よりすごさがわかるというか。
長文腐女子(誤爆)