先月、成人式の前撮りをした。きらきらの着物とメイクとヘアセットで綺麗にしてもらって、地元の有名なフォトスタジオで撮ってもらった。家族や親戚にもたくさん褒めてもらってすっごく嬉しかったのだけど、わたしは少し違うことを考えていたので、そのことをここに書こうと思う。
今回の前撮りの費用は祖母がお正月にくれた前撮り用資金から出させてもらった。どんな着物にするの?楽しみだねえ、と言って大きな額を渡してくれた祖母は、わたしの前撮りの日を待たずに春に亡くなった。生まれた時からずっとそばにいて、幼い頃の写真にはよく祖母も写っていたし、着物や浴衣を着付けてくれるのもいつも祖母だった。わたしは祖母に振袖姿を見てもらうのを楽しみにしていたし、着物が好きだった祖母もきっと楽しみにしていてくれたと思う。見せたかった。わあー!素敵!と言って喜ぶ祖母が想像できるし、わたしが自分のセンスで選んだ着物の完成形を見て欲しかった。前撮りを終えて家に帰るとき、祖母の家に寄って振袖のまま仏壇に手を合わせてきた。普段は咳き込んでしまう御線香の香りも、なんだか祖母が近くにいる証のような気がして少し多めに吸い込みたくなった。
振袖、ちゃんと見てくれた?少し派手な色だけど、この振袖すごく気に入ったんだ。可愛いでしょ。ばばにもちゃんと見せたかったのになあ。ちなみにお昼は松茸食べたよー。美味しかった、へへへ。未だにばばがいないの信じられなくて、ふとした瞬間に元気かなー?って思ってああ、って寂しくなるんだ。夢だったら会えるのかな?会えたら振袖の感想、教えてね。