2019-09-22

チケット高額転売について思う事

とあるコンサートチケットの高額転売について、色々考えた事があるので記録しておく。

あくまでも個人的経験範囲内の見解である

高額転売入り口

チケット高額転売とは、その名の通りチケットを定価を超える金額販売する行為である

高額転売と聞くと大量のチケットを高額で売り捌く業者所謂転売ヤーを連想しがちだが、その内業者と思われる割合は意外と少ない。

では他には誰か。

アーティストファンである

それは非常に悪質な、しかし悪質という自覚のないファンたちによる転売なのである

ここで一例を挙げる。

あるコンサートチケットが2枚当選した。

1枚は自分使用するとし、残り1枚。

友達を誘って行けばそれまでだが、折角なら2公演分入りたい。

なので、残りの1枚は同じコンサートで他の日時のものと交換する。こうすれば金銭も発生しないで、2公演楽しめてハッピー。勿論、合法

しかし、交換が上手くいかない場合はどうか。

自分チケット座席は3階席の後列で需要が少ない。地方公演のチケットなので、人気都市の公演に行きたくても同じ会場同士でしか交換できない。平日なので土日公演と交換してもらえない。

同じコンサートの、同じ金額チケットなのに。

ここで、一度転売し換金してから希望の公演のチケットに金を積んで入る、という行動を取る。金を経由しチケットを得る。

そうすれば相場の差額を払うだけで当選していない公演に入れるのだ。

相場が定価の5倍だとすると、定価5000円のチケットが大体25000円で取引される。

自分チケットは何らかの理由で、相場で18000円分の価値しかないが、人気都市・人気日時・良い座席チケットは70000円で取引されている。

交換してもらえるはずがない。価値需要も埋められない差があるからである

しかし例えば同じ会場、少し良い座席、土日公演のチケットが26000円で取引されてるとする。勿論自分は交換したいが、相手にとってメリットは少ない。

(勿論一定数定価主義ファン存在するが、運良く交換成立する場合は稀である)

そこで一度転売、換金し8000円金を積んで26000円のチケットを手に入れる。

もし残りの1枚を友人に譲ってしまうと2公演目は26000円のマイナスだが、転売すると8000マイナスで済む。

価値を精算する感覚転売

この場合18000円、定価の3倍強の高額転売だが、その売り上げは26000円のチケットを売った別のファンへ流れている。ファンは結局アーティストの為に金を使い、別のファンアーティストに払う。

ファンの同士の中で金が回り、アーティストの為に消費される金である

「運」という概念

では何故この様な現象が起こってしまうのか。

どの公演も一律の金額からである

単純に、通路横席、最前席、いわば「神席」などと呼ばれる座席と、3階の後列や埋もれ席など、「天井」などと呼ばれるクズ席が同じ金額で売られているのに問題がある。

もしくはコンサート中盤と最終日が同じ金額地方公演と人気都市公演。

肉眼で見れ、触れそうな位置パフォーマンスをする2時間と、豆粒くらいの見えてるのか見えてないのか、TVで見ている方がマシな2時間が同じ金銭価値な訳がない。

コンサート中盤の中弛みしてきた公演と、最終日の涙ながらに気合の入った公演が同じでいいのか。

誰でも良いチケットが欲しい。しかし、選ぶのは我々ではない。

基本的ランダム、良い公演良い座席に当たるかは運だ、と言われている。

まり転売で運を金で買っているのである

もしくは手数料である。良い座席、良い日程、良い会場を当てた人へのチケットプラスアルファ手数料である

ある界隈では最前席は20歳以下の若いファンしか当たらないという、公表されてないが共通認識の裏ルールがある。若くないが金のあるファンは、絶対に手に入れる事のできない若さを金で買っているのである

この様に他にも公表されていない選択基準があるのかもしれない。それらは全て運という言葉で片付けられている。

1枚のチケットに、条件が揃えば20万だの30万だの法外的な金額がつく。そしてそれを買うファン存在する。少なくない数、存在している。

しかし、どうしてもそれが悪だと思う事ができない。良い座席にはその金額に見合う価値があると思い、法外な金額を積んでしまっているのである

実際、その価値はある。と思う。

通路横の座席の、すぐ近くをアーティストが通り、匂いを感じ、顔を目視でき、喉から声を絞り上げる姿を見れ、マイクが拾わない声を聞ける、そんな生の体験と。

ステージから遠く離れた天井席で、豆粒のようなアーティスト双眼鏡必死に追いかけている、悲しくなる絶望感。

その2つを経験してしまうと、とてもじゃないが同じ価格だと思えない。

その気持ち、金を出してでも運を買いたいという気持ちは十二分に理解できる。

問題は、運営から離れたファン同士(もしくは転売屋)の間で金が動いてしまっている点である

高額転売は終わらない

からやはり、金銭差がなく運のみでチケットが選ばれる制度自体問題がある。元凶である

舞台であればS席、A席、B席…など前列の座席程料金が高く設定されている場合がある。金を出せば対価としてより良い観劇環境を手に入れられる訳である

この制度自体問題ないが、現時点で高額転売は多数存在する。やはり値段設定と座席区分相場と合っていない上、日時による区分存在しないのである

一番の理想運営が行うオークション形式だ。

全席オークション形式にすれば金を払いたいファン自分希望する座席に入れる。金のないファンは去るしかない。これなら

運営に金が入り、金があるファンはいくらでも払う。正にwin-win関係である

かに仲介される事なく純粋チケットへの対価が金額に表れる。

しかし、残念ながらこの形式採用される事はないだろう。

小金持ち程度のファンも集まれば立派な金づるである新規ファンを常に増やしたい運営にとって得策とは思えない。

特にSNS主体現代では、金は無くとも拡散力のあるファンアーティストの立派な広告塔なのだ。少しの太客よりより多い茶の間ファンなのである

また道徳的にもよろしくない。という風潮が現在存在しているだろう。


運営から離れたところで相場が生まれる、というのはある種の主張である

定価以上の金を払ってでもよい席に入りたい、それだけの価値がそのチケットには存在する。良いチケットをくれ、その分金は払う。

しかしその声が届く事はない。

高額転売は終わらない。

  • そうかあ? マグロのセリみたいに凄まじい金額で買われたことを報道したほうが宣伝になると思うけど

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん