2019-09-08

歌を忘れた演奏家達の…

幼少から続けているヴァイオリンにまつわる、悩ましい話である


ヴァイオリンという楽器は、ピアノに次いで西洋音楽では今なお抜きにできない、重要楽器に含まれる。

これは現在まで残っている楽器の中では最も歴史があるものの一つであり、加えて発展の過程で弓に劇的な近代化が施され、結果演奏上の制約が殆どない、豊かな表現力を持つようになったことが理由に挙げられる。

なので、ヴァイオリン問題楽器ではなく、奏者の問題帰結すると。


そんなヴァイオリン奏者は、そもそもどうやって作られるのか。

簡単に言うなら「猿回しの猿」育成にかなり近いと言っていい。

どういうことかというと、象徴的な話として、曲を弾くとき最初からほぼ最後までツッコまれるのが音程、指が回ってないことだったりする。

というか、指の適正位置はもちろん、そもそも楽器の構え方や弓の持ち方動かし方まで、「ここは絶対こうする、しなきゃ許さん」みたいな、まさに箸の上げ下げレベルで超細かいマイクロマネージメント洗礼が、毎回のレッスンで待っている。

そしてそういう「基礎」と見なされるような訓練と並行して音楽表現、つまり「曲の弾き方」も習うわけだが、これは先生の言う「ここはもっと大きく」「ここは突然弱く」「ここは弓たっぷり」「こっちは弓の毛3本で」といった指示を覚え、実践する作業に終始する。

まり音楽センス解釈力を養う目的でやってるはずのことが、往々にして「先生劣化コピー」育成以外の何者でもない状態になっていることが大半なのだ


そういうレッスンを幼稚園保育園の頃から受けてきた結果どうなるかというと、プロアマわず多くのヴァイオリン弾きが歌わないで演奏しているのだ。

言い換えるなら、手先指先のコントロールばかりに注意と集中の殆どを費やすようになってしまい、それが演奏だと勘違いしている人が多い。

少しでも音楽やったことある人には信じがたい話だと思うが、事実である

まあ自分の知る限り、そんなことが起きているのはヴァイオリンだけなので無理もない。

これが管打楽器ギターとかだと「歌ってはいるけど、歌い方のセンス(ry」で残念賞というパターンがある。

しかヴァイオリン弾きはそういう一般的な「下手くそ」以前のレベルで止まっているのだから頭を抱えてしまう。

それでよくあるのが「上手いけど、つまらない演奏」というやつである

聞く所によるとその昔、某大物歌手海外の某有名ビッグバンド日本コラボしたとき日本弦楽器奏者のレベルの低さにバンドマスターがブチ切れて、本国から奏者を呼び直したなんて話もあったり。

まらないだけならまだいい。

これに奏者の自己顕示欲が加わって「上手いけど腹が立つ演奏」なんてのも存在するのだ!

しかもそういう演奏をする奴は高確率で「上手くなるのに百万回さらった」みたいな苦労話をひけらかす。

それ自慢になってないどころか、全然楽しく見えないんだけど。音楽、楽しくないの?

てか、小手先の微調整だけで弾こうとするから、百万回さらわないと弾けるようにならないってだけじゃんか。

そんなんで偉ぶること自体どうかしてる。


とどめは、こうしたヴァイオリン奏者の傾向は洋の東西を問わないということ。

しろオーケストラジョークでは「くそったれは全員ヴァイオリンパートにいる」と書かれているのだから

というわけで、歌を忘れた結果、色々と憎まれポジションになっている、ヴァイオリン弾きの悩ましい今日このごろである

  • プロのオーケストラ奏者の養成のためのカリキュラムになってるよね。 アマチュアの指導ですらそういう感じになりがち。 まあ、それはフルートなど他の楽器の場合でもそうなんだけ...

  • イングヴェイ「ギターにしろよ」

  • "洋の東西を問わない"のに "日本人弦楽器奏者のレベルの低さにバンドマスターがブチ切れ"たんだ ふーん

    • 洋の東西を問わないのは「レベルの低さ」ではなくて「傾向」と書いてあるようだが.... (言い換えると、この「傾向」自体は洋の東西を問わずだが、「レベル」は国によって違うとい...

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