2019-09-02

ゲイ大学生だけどおじさんと付き合いたい

大学生男性同性愛者なんだけど、無性にゲイ向けのマッチングアプリでおじさんと会いたくなるときがある。おじさんといっても世間から忌嫌われているような、わかりやすい?ネガティブイメージのおじさんではない。私が会いたいのはカッコよく、優しく、知的で、包容力があるおじさんである。中々いませんが…

前にそういう素敵なおじさん(以下Kさん)と会ったのはのは2ヶ月前、新宿高島屋で美味しいガレットを食べながらワイン呑んで、そのあとKさんの住んでるマンションに転がり込んでセックスしたのが最後である。その後Kさんとは会っていない。

Kさんと一緒に食事を食べて交わったのはせいぜい5時間とかそんなもんだったと思うのだが、この5時間は“彼にもう多分会えない”ことをこれまでの経験からなんとなく察知し、噛みしめるほど徐々に美化されてきている。また、あの5時間のような夢の時間を過ごしたい、彼氏になってほしいなどとおこがましいことは言わないからまたセックスだけでもしたい、相手はもはや、顔も見たくないのかもしれないけど。

Kさん40代半ばで、もう何年か彼氏はいないらしい。大学生の私とよく行く服屋が一緒だったりと年齢を感じさせない雰囲気を身にまとっていた。かと思えば、私が就活の話をしたときに、「俺はロスジェネ世代から就職大変だったんだよ、今の子が羨ましいよ」とも言っていた、聞けば、なんとかして入った会社を一度辞めて、脱サラ学校に通いなおして現在専門職をしているらしい。酸いも甘いも噛み分けた大人男性であることを感じさせていた。

1軒目のレストランを出たところで、「これからどうします?」と尋ねると、「何してもいいよ、付き合うよ」と笑って言ってくれた、でも目は合わなかった。Kさんは少なくとも私を見てはいなかった。笑顔も少し作っていた。今にして思えば、こういう僅かなKさん仕草を感じとったときに潔く別れた方がよかったかもしれない。でも、そうしたくなかった、私は平静を装いながら頭の中で、Kさん繋ぎ止めるための策を練りつつ、二人でニュウマンとかをちょっとロウロした後に、やっぱりこのまま別れてしまうのはなんとなく嫌だったので、思い切って「お家の近くになんかありますか?移動しましょうか?」と尋ねると(直接家に行きたいというのは気が引けた)「俺の家来たいの?まぁいいよ」と言ってくださったので家に行くことにした。

そのあとは二人でお酒を呑み直して、なんとなくテレビをつけて、なんとなく見つめあって、私がKさんの頬に触れて、その勢いでなんとなくキスして、シャワー浴びて、エッチなことをした。ある種のお作法の流れである

こちらはあんまりテクニシャンではないのでだらついたエッチだった。もしかしたらKさんには退屈だったかもしれない。私はKさん愛撫が止まっている間に、色々なことを聞いた。

出身県、前の彼氏Kさんフェチ名前の由来、そんなことだったと思う。

その日は「終電にまだ間に合う、泊まりたいけど帰らないと」と言って帰った、Kさんの方も明日仕事からと言っていたのでその日はそのままお開きになった。駅まで送ってくれたので、その後も少し世間話をしたのだが、セックスした後のKさんは家に来る前より声のトーンが少し低かった、私の話をどうでもよさそうに聞いていた。「多分もう会えないな」と思った。帰りの電車でザ・チェインスモーカーズの「Call You Mine」がSpotifyから流れてきて泣きそうになった、私だってKさんを「俺のもの」と呼びたい。淋しくなって、Googleで「ワンナイトラブ 会う 2回目」みたいなことを帰りの電車検索しまくっていた。

次の日、仕事のはずのKさんマッチングアプリで「今日暇!会える人!」みたいな募集をかけていた。(私が使っているアプリには、その日すぐに会える人を探し出せるように募集できる機能がある)私の嫌な予想が確信に変わった。やはり私はKさんのお眼鏡にはかなわなかったのだ。こうなってしまうとどうしても会いたくなってしまい、その後、Kさんがすぐ会える人の募集をかけているときにわざとこちらもちょうど会える人を探しているかのように「今日お仕事休みですか?よかったら会いませんか?」みたいなメッセージを送ったものの、のらりくらりと断られ続けている。というか流石に迷惑を超えてストーカーっぽいので連絡するのはやめた。

最近、何を見てもKさんを思い出す、自称していた出身県でよく取れる野菜路線図に書いてある新宿駅の文字、よくいくと言っていたルミネ入店しているセレクトショップKさんと同い年くらいのおじさん、街中のカップル赤ワインetc

そして、Kさんを思い出すたびに自分の中のKさんKさんではなくなっていく。

私の頭の中で、私を車に乗せて一緒に旅行をするKさん、優しくリードしてお姫様のような?チヤホヤした扱いをしてくれるKさん、平日の夕方に呼び出されて、サプライズで高級なレストランに連れていってくれるKさん彼氏になった大好きなKさんに思いっきり甘えられる幸せに浸る私。

もはや、あの日に会ったKさんはどこにもいない、私のヤバい妄想の中でKさん勝手理想化されていく。

こうなって始めて、「あぁだから俺はおじさんを求めているんだ。」と理解する、用は甘えたいのだ。私は人間に、それも「おじさん」という絶対自分自身には“甘えてこない”人に。

私は前から包容力があって日々の愚痴を聞いてくれて、リードしてくれて、チヤホヤしてくれる彼氏に思いっきり可愛がられたくて、この人なら、それを可能にしてくれるかもしれないという夢を見たくて、その夢を見るためにアプリ上で「よかったら会いませんか?ご飯でも」とメッセージを送り、実際に会えたらセックスのチャンスをちらつかせることで、この願望をその人で投影している。セックスで夢を買っている。そうすればセックスするまでの短い間はおじさんたちはみんな(程度の差はあれ)俺をエスコートし、チヤホヤし、歯の浮くような台詞を言ってくれる。

でも、セックスが終われば、おじさんたちは一気に態度を変える。もう一度メッセージを送ってみても望む返事は得られない。

あるおじさんは「君みたいな若い子はこんな大人と一緒にいてはいけない、もう会うのはやめよう」と優しく、でも本心かどうかはわからない返信してきた。

あるおじさんからは「いいよ!また会おう」と返信が返ってきたものの、こちらが「まずご飯行きましょう」と返すと「セックスしないならいいや」とシンプルで最悪な返事が返ってきた。

他に「最近仕事が忙しい」「いいよまたあそぼう!こんどは○○なエッチしたいな」「夜ならいいよ」こんな返事ばかりである。返事が返ってこないこともある。

ある時期から、「普通に考えたら、素敵なおじさんはたんなる大学生(特別頭がいいわけでもめちゃくちゃ見た目がいいわけでもない)を好きにはならないな」と思い直し、同世代普通にご飯に行くようになった、しかし、特に面白くなく、当たり前だけどマッチングアプリでなんとなくのプロフィール顔写真みて会った人とは共通話題があっても、いきなり意気投合したりはしないしなぁ〜と思いながら、なんとなく帰ることが多い。

時々、うっすら思い浮かべる人がいる、高校ときに、独りぼっちで浮いていた私に優しく接してくれた昔好きだった男の子だ。誰にでも親切で、努力家で、対して勉強ができなかった私と違い猛勉強して優秀な大学に行った彼。つまらない高校生活に一筋の光を照らしてくれた彼。私は彼がしてくれたことに感謝しつつ、彼には何も与えられないことがもどかしかったし、(唯一、彼が読みたがっていた漫画を全巻貸して欲しいといわれて貸すくらいはできた。)何も与えられないのならば、せめて、彼にとっての私が嫌な記憶にならないように、連絡をしたり、心の内に秘めていた恋心を隠し通すくらいしかできなかった。

好きな人に、無性の愛を注げるような人になりたかった。

いつから、私はこんなにも愛を貰うことに執着するようになってしまったのだろう。

  • なんかすごく女性っぽい と思ったけど、女性だったら相手のおじさんが「タダでセックス出来る大学生の女の子」をそう簡単に手放すとも思えないので やっぱ男性なんだろう

  • 援交JKの焼き直しかな

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