2019-08-15

語学学習の基本その2

anond:20190814072129

ネイティブ信仰についてー

日本人無意識に抱えている、ネイティブスピーカーへのあこがれは

ときには、動機付けになるが、多方、語学学習阻害要因にもなりうる。

とくに、ネイティブ並みのコミュニケーション能力を目指す考え方は

恥ずかしがり屋の日本人にとっては害悪ですらある。

恥ずかしい発音をしたくない、文法含め、間違ったことをいって恥をかきたくない、という心理

どれだけ機会損失につながっているか実践訓練を妨げているかからない。

特に日本人同士では顕著だ。日本人同士で「あのさ、お前何言ってんの?」とは絶対に思われたくない心理

なので、例えば、自分よりも会話能力が上回っていると感じた日本人とは自然と会話自体を控えるようになってしまう。

一方、留学したり海外旅行では、日本人視線を感じないことも多いため、堂々と間違えることができる。

留学時、なるべく、日本人と接しないようにした、と告白する人が語学を身に着けていくのはそれなりの理由がある。

最近フィリピン留学などが流行しているようだが、これは、非ネイティブという利点を有効活用できてよいと思う。

ネイティブ並みを目指しているひとにとって、未熟な言葉ネイティブと会話するよりも恥ずかしさは少ないはずだ。

そのうちに、経験や機会を阻害していた自分自身のネイティブ並みへのこだわりも消えていくかもしれない。

藤子不二雄Aの観察眼

忍者ハットリくんマンガ道などで知られる藤子不二雄A。そのなかに「添乗さん」という作品がある。

これは1970年代高度成長期上り詰め、一般日本人海外ツアー旅行に行き始めた時代を背景に

添乗員の悲哀を通じて、人々の海外旅行観をコミカルに映しとったた名作だ。

この作品は、個人的には同氏の最高傑作ひとつだと思っている。

見開き2ページで構成された、この小噺集のなかにとあるエピソード

ネイティブ英語を鍛えてきたと自負するおっさんハワイ行の機内でドリンクを注文する場面が登場する。

添乗員に対して「キミィ。英語のわかるスチュワーデスを呼んできてくれたまえ」といって、やってきたのは

いかにもアメリカ人女性っぽい乗務員

彼女に対しておっさんが注文を試みる。

しかし「スカッチャンドワーラー、プリーズ」と話しかけるものの、

「パードン?」と返され、理解されない。

かねた添乗員さんが、スコッチを欲しいと言っています、とコソっと耳打ちすると

「オー、スコッチ・アンド・ウォーターオーケー」といって、おっさん語をようやく理解できてスッキリした表情。

その直後におっさんがいうオチ捨て台詞が秀逸である

「全く!英語のわからないアメリカ人は困ったものだね!」

その他のエピソードでも藤子不二雄Aの観察眼はいろいろと鋭い。

当時は、「百万人の英語」のハイディ矢野などを通じて、リエゾン重要性を洗脳されていた時代である

英語を使って20年近く仕事をしてきた私の経験からいうと、

試しにネイティブ発音マネしてかっこつけて話そうとすると、通じないことが多かった。

特にネイティブ話者とは十中八九通じなかった。

恐らく、ニューヨーカー発音南部なまり西海岸英語オセアニア系、ブリティッシュ英語、これらをジョークとして使い分けられる程度の能力があれば

相手に応じて、発音コントロールができて、通じるようになるような気がしている。

えてして、ネイティブ多様性理解できず、山形弁をマネしようとして失敗しちゃってる奴が大阪で話をしているようなものである

しかし、それはあたか大阪弁と山形弁を使い分ける変なガイジンなんであって、何を目指しているのか、という自問自答になるだろう。

https://anond.hatelabo.jp/20190815122152へ続く

記事への反応 -
  • anond:20190815021231 どのネイティブを目指すのか 前回、ネイティブスピーカーへのあこがれについて書いた。 ネイティブと一口にいっても、地域差がある、という話をもう少しする。 これ...

    • https://anond.hatelabo.jp/20190815122152 言葉を学ぶ動機 https://www.youtube.com/watch?v=VGsay2fmw50 youtubeは言葉を学ぶのに本当に素晴らしいツールだ。 語学学習を目的としたyoutuberは山ほどいるが、ときと...

  • 文法構造から学ぶのではなく はじめは経験をつくる。 構造は経験で得た知を説明できるものとして理解する。 そういう方法が日本人にはあっているように思う。 文法から入り、原則を...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん