まぁリンク貼るの面倒だけど、統合失調症患者に救済はいらないみたいなアホ記事読んだので患者として思うことをつらつらと。
まず救済を経済的な支援としか考えてないのがバカだよね。患者にとって何が救済かというと社会に存在を許されることが救済じゃねーの?と思う。
まぁ社会に存在を許されるってフワッとした事書いたけど、統合失調症患者ってのは実は重大犯罪を犯してしまう確率がふつーの人よりも高い。重大犯罪まで行かなくても、妄想幻聴で他人に迷惑をかけることも多い。ってか、統合失調症の何が障害なのかというと、急性期の妄想や幻聴で社会と穏当に接することができなくなるのが最大の障害な訳だ。それが社会に存在を許されない状態だと俺は定義する。
で、社会に存在を許されるのはそうした社会との接点を取り戻す状態のことを俺は指す。では、そのために何が必要なのか?
それが治療であり、社会というか周囲の人の理解でもあり、そうしたものが与えられるのが救済だろうと思う。
で、統合失調症ってのは大きく分けて急性期と陰性期と寛解があるんだけど、社会との接触が極端に困難になるのが急性期だ。これが統合失調症の主症状として知られる妄想や幻聴が出る状態にある。そして、この急性期に関しては薬が非常によく効く。急性期が数ヶ月で抑えられることもあるくらいに。
急性期を乗り越えた後には陰性期がやってくる。陰性期ってのはほぼうつ病と同じような感じで、妄想や幻聴はみられないけれども意欲などが減退し社会活動が取れない状態にある。この陰性期に効く薬はあまりないと言われている。そしてこの状態は大抵が急性期よりも長く、数年単位で続く。
けれども徐々に活動的になってきて、ここで再発への道を進むのか寛解(再発の可能性があるから治ったとは言い切れないんだけど症状は出ない状態を指す)するのかが、陰性期にもちゃんと薬を飲んでいたかによって決まってくる。ここまで来ると寛解するのが全体の6割くらいだ。
つまり、全員とは言わないがその多くが社会との接点を取り戻せる状態にまで持ってこれる。また、寛解まで持っていけなくても症状が軽い状態で安定することも少なくない。
ここで本当に社会に存在を許される状態になるには、周辺の理解がどうしても必要になる。
だから俺はあのバカを書いた増田を許さない。生半可な知識で統合失調症は治らないと広める試みを許さない。厳密な言葉の定義を問うなら治るとは言えない病気だが、寛解は一般の人が想像する「治った」と言える状態のことだ。
ああいうのが広まってしまうことは、統合失調症患者の社会復帰を、つまり救済を遠ざける。幸いなるかな、ブコメではボロクソに言われてるんでそこはそんなに心配しているわけじゃないけど、しかし見過ごすにはあまりにも目に余る。
精神科医に意味が無いとまで言うけれども、医者になれるような方々が何十年もかけて何百何千の患者を診て少しづつ進めてきた治療の歴史を思えばあんな浅はかなことはかけないはずなのに、まぁそれが分からないからバカなんだろう。
ぼくのかんがえたさいきょうのきゅうさいでオナニーしてるから全能感溢れてていいねー、って言われる事すら理解してないもんな。