京都アニメーションの作品は実はそれほど多くを鑑賞してきたわけではない。それでも、『聲の形』、そして『リズと青い鳥』の二作は、そしてその繊細な絵作りは、私の人格形成に多大な影響を与え、また、京都アニメーションというスタジオが、驚異的な熱量の作品を世に送り出し、多くの人に感動と歓びを与えているということを私に確信させるには、十分過ぎるものであった。「神は細部に宿る」とはこのことかと思った。私は、こんな作品群を産み出すことに寄与出来る人々を、心から尊敬したい。
きっと、一人一人に、大きな野望があった。きっと情熱的な夢があった。未来には、まだ見ぬ素晴らしい作品があり、そこにはまた新しい神が宿り、多くの人に感動を届けるはずだった。おそらく、それが出来る、素晴らしいクリエイターが、数多く在籍していたのだと想像する。
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自分に出来ることは何か。
亡くなった方々が、これから産み出す筈だった感動を、歓びを、芸術を、他者に与える筈だった全てを、その創造的で情熱的な未来を、それが一瞬にして失われることの計り知れない無念を、私の心に空いた穴に、確かに宿し、常に燃やし続けること。
言葉によって消化したつもりにならず、言葉にならない激しい感情のまま、それを心に持ち続けること。
この無念を少しでも晴らすべく、あるいは私の心に宿ったこの消してはならない呪いに飲み込まれずに向き合っていくべく、私もまた、感動と歓びを自身の中に抱き、それを他者に与えられるよう、真摯に、誠実に、情熱的に、生き続けること。
本当に、悔しい。