2019-06-21

ある日本代表するメーカーの開発部署の実情

巷で○○退職しました系のブログに書いてある事を、就職するまで一部だけの話だと思ってた。エクセル方眼紙なんて実在するわけないだろうと。でも社会人になってそれが日本企業リアルであることを思い知ったので今日はその話をしようと思います

「開発部」とは名ばかりの下請け依存

所属しているのは全社の生産技術の開発部署海外にも広がる工場の次なる生産技術開発を担う重要部署なはず。なのに、自分たちで開発はほぼ行っていない。じゃあ何やってるのというと下請け装置メーカー)のカタログを見て良さげな新装置があったらそれを買ってるだけ。自分たち装置作ったりしない。駆動系のある装置を作ることは表立っては禁止されていないが実質的にやられていない。なんでかというと「危険から」らしい。小さな改造すらも超絶煩雑承認フローを踏んでからでないと実施できない。一から装置買ったほうが楽なぐらい。だから誰もやってない。技術社員のはずなのに、やってることはカタログ見たり展示会行ったりしてただ買うだけ。。買うのにもさんざん根回しした上で半年がかりの承認フローを経てかつ過剰な安全対策を行ってようやく装置が買えるので絶望的なぐらいたくさんの事務仕事が発生する。なので、うちの部署技術社員業務の多くは装置購入のための事務である

新しいテクノロジーを歓迎しない雰囲気

開発の進捗報告会が定期的にあり、各開発担当プレゼンを行う。開発者の人事評価に大きな影響を与えるので気合が入ってる人なんかは丸2~3日かけてスライドを作る。でも評価されるのはプレゼンが上手く行った人なのでそういう人が部長に気に入られる傾向がある。進捗報告会ではわかりやすいことが結構重要。だから臭いやり方でも部長達がよく慣れているアプローチでやってるほうがウケがいい。逆に「機械学習を使って条件だししました」なんて言おうものなら「信頼性の低い方法を使うな!」と怒鳴られる。これは、マジで起こった事。こんなのお前の会社だけでしょといわれるかもしれない。だけど、メカ系の学科出身者はそういう保守的な色が強いのを学生時代嫌という程感じてきた。教授ですら、というか教授からこそ古臭いアプローチにこだわりをもっていたりする。この結果、新しいチャレンジングな開発は自然忌避されるようになる。

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