昨日の夜、仕事帰りにスーパーに寄って買い物をして出てきたら、駐車場に停めた車の前におっさんが2人、立っている。ややこしいことになったらいややなあと思いながら近づくと、問題なのはこっちの車ではなく、隣に停めた車だということがわかった。左前輪がパンクしている。おっさんはその車の持ち主だ。もうひとりのおっさんは、おれの車をはさんだ隣に車を停めていて、おっさんが困っているのに気づいて手伝いを申し出たところらしい。
成り行き上、手伝わないわけにいかない。近頃の車はなかなかパンクしないから、なかなかないチャンスでもあるし。
タイヤ交換のこととかおっさんの身の上話とか、それはそれで書いてもいいのだけど、まあどうでもいいことだ。それはおいといて驚いたのは、なんとこのタイヤ、ワイヤーが出てるどころかワイヤーが擦り切れていて、その下のゴム1枚でもっているという恐ろしいシロモノ。溝が消えてるとかそういうレベルのもんじゃない。こんなもんで走ったら事故るってのはシロウトでもわかる。駐車場に停めてるだけでパンクしたのも不思議ではない。いや、駐車場でよかったよ。走行中なら間違いなく悲惨なことになる。
で、不思議なのは、おっさんが「タイヤをこないだ交換したところだ」と主張していることだ。言われてみれば後輪はピカピカの新品で、スペアタイヤも完璧だ。ただ、前輪だけがありえないほどにすり減っている。
そのときは、腑に落ちないながらも他人事なんで「すぐに修理工場に行きなよ」とだけ言って別れたのだが、あとで知人にその話をしたら、
「それはタイヤ、パクられたな。前輪だけやったんは犯人のスペアタイヤが底をついたか、時間がなかったか、どっちかやろ」
と言われた。なるほど、そうでなければ、あの、それほど走ってなさそうな車で、あそこまでひどいタイヤが吐いていた話の辻褄が合わない。