終わらない。
ランスXが終わらない。
なんで終わらないのかと言えば、既に飽きてしまっているからである。
5周目ぐらいまではおもしれーおもしれーぜってー攻略なんてみねーとプレイしていたのだが、10周ぐらいしたらなんだか面倒になってきて攻略サイトを見てしまったらネタバレが大量に目に飛び込んできていよいよプレイする意欲がなくなってしまった。
「10周ぐらいで飽きる?」と言われるとぐうの音も出ないのだが、ランスXが発売したタイミングと仕事で忙しいタイミングがちょうど重なってしまい、買ったはいいがなかなか遊べず、忙しい合間を縫って私がようやく1度目のクリアを迎える頃にはもう皆もうとっくに完全なクリアを終えて「第二部」というワードを出すことに躊躇してくれる人はどこにもいなくなっていたのだ。想像して欲しい、自分がまだ試行錯誤して最初のクリアを目指している間、次々に「第二部」という言葉が解禁されていく状態を。そんな中で何とかプレイを進めるも、仕事はなかなか楽になることもなく、腰を落ち着けて攻略ルートを練る気もなくなってしまった私は、遂には半年ほどゲームから離れるに至った。そうして熱も冷めた中で、再びプレイを始め、何とかかんとか2回目、3回目とクリアを重ねながら、なんでもあり・高難易度モードといった周回要素の扱いにも慣れてくるに従い、最終的にはボス戦が運ゲーであることにうっすら気づいていった。
ゲームなんてやってないでこ転職の方針でも決めるべきなのではないかという疑問と戦いながら、今ここでまた引退したらもう二度とやる機会はなくなるのだろうという焦りに振り回されながら、いつしかランスXはただの作業へと変貌していくのだった。そして、遂に心は折れた。そうしてまた、ランスXから離れたのだ。
今、私はまたランスXを始めるべきかどうかを自分に問いかけている。
あまりにブラックな働きぶりが燃え広がりすぎた私の部署はその有り様を問われてチームを解体、縮小されることなった。私もそうして散り散りになったメンバーの1人となり、次に与えられた新しい配置での引き継ぎに振り回されるも、今はようやく一息入れられる所まで来た。
時間はある。気持ちの余裕も出てきた。始めようと思えば、再び私はルドラサウムの支配するゲーム盤の上で最後の戦いへと赴くことが出来るだろう。だが、一度鎮火してしまった熱を再び取り戻したとして、それで最後までたどり着けるのだろうか。発売して1年が経過したこともあり、もはや全ての情報はネタバレ解禁となっているが、それらの点と線をつなげて見える全体像の中で、私はまだ7合目にいるかどうかだ。ここから一気に駆け上っていくだけのエネルギーはあるのか。9合目まで来てそこで終わらぬビバークのなか、二度と熱を取り戻せることもなく、私の中にあるランスXが凍え死ぬ可能性はないのだろうか。
終わらない。
私のランスXはまだ終わっていない。
これは比喩ではない。
ただの事実だ。
つい最近購入したのではない。
発売日に購入しているのだ。
まだ終わっていない。
ただ、それだけの事実。