もう直接会って話す機会も、お手紙を渡す機会もなく、かと言って手紙を郵送する気力も、本人のブログのコメントに気持ちをぶつける勇気もないので、ここに書いて終わりにしたいと思います。
推しくんへ
推しくんに出会ったのは2014年の夏の終わり、2.5次元舞台のDVDの中で輝く貴方でした。あのとき、雷が落ちたように、貴方に視線がくぎづけになりました。
貴方が気になって気になって、貴方を知らべ、長いこと書いているブログをいちからすべて読み、なんて誠実に役と向き合う役者さんなのかと感激したのを覚えています。
秋、生で貴方のお芝居を見て、やっぱり映像より生の舞台の方がいい!と確信を得ました。
年が明けて厳冬、初めて役から離れた貴方にお会いしました。他の役者さんと2人セットでのイベントでしたが、自分のファンにも、お相手しかお目当てでないファンにも、等しく誠実に向き合っている貴方を見て、お芝居と同じく、ファンにも誠実な方なのだと心が震えました。
それ以降、たくさん劇場に通い、役から離れた素の貴方とお会いするイベントにもたくさん行きました。
その過程で、私は貴方のことを、仕事にもファンにも誠実に向き合うひとなのだと期待してしまっていました。
だから、お付き合いする方にも、生涯の伴侶として選ぶ方にも、きっと誠実に向き合ってくれる。そして、いつか来るその日には、私たちファンがもろ手を挙げてお祝いできる状況を揃えて発表してくれる。
そう、期待してしまっていたのです。
だから、ごめんなさい。
「お付き合いして数ヶ月の20代前半のお相手を妊娠させ、お付き合いから半年ほどでデキ婚した30代男性」の貴方のことを、とても誠実とは思うことができません。
ご本人同士の間では、考えや思いがあっての出来事なのだと思います。そう思いたいです。事故での妊娠ではないと思いたいです。
でも、世間一般には「付き合って半年の、年の離れた若い彼女を孕ませた30代男」と捉えられてしまうことをわかっていますか。
デキ婚のどこが悪いの?そう思われる方も、世の中にはもちろんいらっしゃいます。
でも、「お付き合いをして、結婚をして、その後に子どもがほしいと望んで、そして生まれる」という順番を、私の倫理観ではよしとしていました。
また、お相手は20代前半です。これが貴方と同世代と同じか、それ以上だったら、デキ婚でも印象が違ったのだと思います。
女性にはどうしたって、妊娠適齢期があります。30代半ばを過ぎると、適齢期は終わりを迎えていきます。だから、同世代のお相手であれば、強行手段しかなかったのだなと納得したと思うのです。
また、学生時代から長くお付き合いしてきた方とであれば、年齢関係なく、キッカケがなければ、貴方のお仕事を考えると結婚できなかったのだなと思えたと思うのです。
しかし、実際のお相手は、貴方より8歳も年下の20代前半、その上、貴方より世間に名前も顔も売れている方です。
妊娠は彼女が望んだことなのかもしれません。そんなこと当事者同士しか分かりません。
でも、一般人の私が考えても、これだけ売れている彼女の、1年先、2年先のお仕事が決まっていないとは思えないのです。
ちょうどアイドルグループを卒業して、女優としての地位を確固たるものにしつつあるなと、ファンでない私でも感じていました。
その時期に、妊娠出産育児で現場を離れることは、彼女にとってよかったことなのでしょうか。
そして、その地位を築くために手を尽くしてきた、気の遠くなる数の関係者がいるはずです。
そんなことより、貴方です。
貴方は舞台から映像へ、お仕事の主軸を転換している真っ最中であるなと、ファンである私は感じていました。
ここ数年、舞台への出演が減り、生で貴方のお芝居を観られないことはとても苦しく、味気のない日々が増えていたところです。
映像の世界は激戦区でしょう。貴方より若く、知名度も実力も高い俳優は山ほどいますし、さらに若い方が雨後の筍のように毎日毎日出てきます。
そんな世界を貴方は望み、進んでいったのです。映像がやりたいとブログに書いていましたものね。
生で観れる機会が減るのに、舞台でついたファンを維持して新しいステージに行くのは、本当に難しいことなのではと感じていました。
昔から応援していたファンが離れてしまうリスクは考えましたか?
貴方にも絶対に存在する、手を尽くしてくれた数え切れない数の関係者のことは?
今回の結婚、妊娠で、たしかに貴方の名前は広く報道されました。
でももう貴方は「彼女の夫」という肩書きがついてしか、記事にはされないんですよ。
その肩書きが外れるのは、彼女よりも圧倒的に知名度が上回った日、彼女の肩書きが「貴方の妻」になる日です。
そんな日は来るのでしょうか。
その間ずっと「売れてほしい」「もっと有名になってほしい」、ただその気持ちだけでした。
こんなことで有名になって欲しかったんじゃないんです。
彼女の方が圧倒的に有名だから、公表のタイミングを貴方サイドはコントロールできなかったのでしょう。
だから、いわゆる接触イベントの直前に発表となってしまったのでしょう。
そして、そのイベントのチケットを持っているファンの中に少なからずいるだろう、私と同じ気持ちの方はどれほどか。
たまたまどうしても日程が合わずにチケットを持っていない私は、その方々の気持ちを考えるだけで胸が張り裂けそうです。
もし私がチケットを持っていたら、いま、どれほどの気持ちだったのか…想像もしたくないです。
ただ、世間の方には強く言いたい。貴方がいわゆるガチ恋営業をしていたとは、私は思いません。
昔はガチ恋ファンもいたと思いますよ。接触イベントも多かったですしね。でも最近は激減していましたね。1年に数回、数秒の握手程度でした。
そんな中でガチ恋のモチベーションを保てた人がいるなら、尊敬の念さえ覚えます。
「ガチ恋営業をしてたのにデキ婚って」とは、私は微塵も思っていません。
私が悲しいのは、仕事にもファンにも誠実に振る舞ってきた貴方が、誠実とは思えない結果をもたらしていること、それだけです。
結婚だけじゃダメだったのですか。お互いの仕事を考えて、時期を見て妊娠じゃダメだったのですか。
デキ婚だとしても、貴方の映像の仕事が軌道に乗り、貴方の名前がもっと世間で知られてからではダメだったのですか。
ねえ、どうして、なんで、このタイミングなの。
会社員として働く一般人とは、同じ結婚妊娠出産でも訳が違います。
その点、本当に考えていましたか。
「もちろん考えていたけど、やっぱりこの方法しかなかったのだ」と言ってくれることを、これを書いている今も期待してしまっています。
ダメですね。
他人に期待したっていいことはないと、私は実生活で思い知っていたのに。
そしてやっぱり「他人に期待するんじゃなかった」と同じ轍を踏んで、泣いています。
お芝居を観に行って、泣いたり笑ったり、今回は脚本がイマイチだったけど推しくんは素敵だったなと思ったり、出演舞台や映画の話題がネットニュースで取り上げられると嬉しかったり。
この5年弱という時間に、いっぺんの悔いもありません。
同担ではありませんが、同じく俳優のオタクなので、こちらの日記を読んで泣いてしまいました。時間が解決してくれたでしょうか?