卒業して数年のOG。タイトルの「東大の植民地」は、大学合格時に塾の先生から言われた言葉。
今年の東大入学式の上野千鶴子による祝辞がTwitterで流れてきたので読んだ。その中でも、
「東大には今でも東大女子が実質的に入れず、他大学の女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました。わたしが学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。この3月に東京大学男女共同参画担当理事・副学長名で、女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等の理念に反すると警告を発しました。」
という箇所に色々と思い出すことがあったので吐き出す。
やっぱり私が入学した時にもそういうインカレサークルが少なからずあった。新歓で渡されたビラに、男子は東大のみ、女子はうちの大学やほかの女子大の学生で構成されている、と明記してあるのだ。当時ピカピカの大学一年生だった私は死ぬ程ムカついた。だって「自分たちより劣った存在が欲しい」と言って、そういう都合のいい存在として自分たちを見ているのだ、としか思えなかったから。
特に記憶に残っているのは、「部長」の他に「女部長」なる役職が存在するサークルだ。もし男女それぞれでまとめ役が欲しいんだったら、「男部長」「女部長」とすればいいのに。東大男子でなければ、ちゃんとした「部長」にはなれないのか、と愕然とした覚えがある。高校も女子校だった私にとって、それは初めて身近で目撃した女性への差別だった。
もちろんインカレサークルの全てがそういう形態をとっているわけではなく、東大女子もいれば他大男子もいる、というようなところもたくさんあったけど、私としては男女混合のサークルに入ると「女」としての役割を果たすことを期待されるんじゃないかと思えてしまって、結局学内の、女子しかいない小さなサークルに入った。
一番腹が立ったのは、うちの学生自身が、そういうサークルに平気で入り続けているということだった。ふだんジェンダーがどうの女性の活躍がどうの言ってるのは結局建前だったんかい。同期にも「女子大だと出会いがないから」と言ってインカレサークルに入った人がたくさんいた。私が感じたような違和感は、野暮なもの、世間知らずなものだった。みんなそんなこと気づいていなかったのか、それとも気づいていたけど無視していたのだろうか。いずれにしても、友達が入ったサークルをdisることになるので、私もこのことについては蓋をして、やがて忘れていった。
今回の祝辞を読んで、(あれは「東大女子がサークルに入れないこと」にフォーカスした発言だけど)私の感じていたことは決しておかしいことではなかったのだと言ってもらったようだった。あの時ほとんど誰にも言えなかった気持ちをやっと外に出せるような気がして、こうして増田を書いている。
今年の新歓はどんな感じだったんだろう。祝辞に「女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等の理念に反すると警告を発しました。」とあるから、少しは改善されていたらいいのだけど。
でも出身大学で人を差別するのは別にいいと思ってるんでしょ