2019-04-13

俺にも遂に猫型ロボットがきた。

 俺は実家の子供部屋で暮らす無職、今年で40だ。そんな俺が今日も一人で子供デスクマッチ棒オリジナル基地を組み立てていたところ、どこからか声が聞こえた。

「ねえ、君はいつまでそんなことしてるの。」

俺ははっとして振り返り、部屋のなかを見渡したが誰もいない。何だ気のせいか。遂に幻聴まできこえるようになってしまたかやれやれ、と思いマッチ棒作業に戻った。

「ねえ、ここだよここ。」

俺は驚いて、また振り返るとそこにはしゃべるロボットがいた。あまり出来事に俺は声を失った。もっともここ数ヶ月、家族とすらほとんどしゃべってはいなかったが。しばらく唖然としたあと、ロボットはこう続ける。

「まったく、君は本当にのみこみがわるいな。」

 ロボットそれから無言の俺に向かって、滔々と語り始めた。彼はなんと未来世界からやってきたロボットであり、不甲斐ない俺のせいで苦労をしている未来の俺の子孫がすこしでも現状をよくするために、俺の人生矯正しにきたというのだ。なんということだ。どこかで聞いたことのある話だ。

 彼の話を飲み込むと、俺は期待に胸が高まった。思えばこの数十年、俺は見事なまでの社会不適合の人生を送ってきた。数々の就業先であまり仕事のできなさに上司に怒鳴られ続け、同僚からは忌み嫌われ、解雇されるか、あるいはいたたまれなくなって仕事をやめるということを延々と繰り返してきた。精神的にまいってしまった俺は実家の世話になりひっそりと生活することに甘んじてきたのである

 そんな俺に遂に救済の手が差し伸べられたのであるときは満ちた。俺が変われるチャンスである。俺は一から人生をやり直せる気がした。このロボットのもたらすアドバイス未来テクノロジーによって、俺の人生は劇的によい方向に変わっていくのだろうと予感した。人並み、いやそれ以上に仕事ができるようになり、人間関係も良好になる。なにか発明して金持ちになれるかもしれない。恋人も出来るだろう。たとえそんなにうまく行かなくとも、身近に何でも相談に乗ってくれる相棒のような存在がいてくれるだけでもとても嬉しいような気がした。

 そう期待に胸を膨らませていたところ、俺の子デスクの引き出しから、新たに一人の少年がでてきた。少年はでてくると、おもむろにしゃべるロボットにひそひそと話しかけはじめた。しゃべるロボットは話を聞きながらうなづいている。その様子はどこか雲行きがあやしい

 少年は話を終えると、子供デスクに引き返した。未来ロボットはとても残念そうにこう話した。

「手違いだったみたい。」

そう簡単説明すると彼もまた、そそくさと子供デスクの引き出しへと帰っていった。

 考えてもみてほしい。未来ロボットが手を差し伸べるのは、たいてい小学生、せいぜい高校生くらいまでだ。最も重要な見落としは40歳独身無職の俺が子孫を残す可能性は限りなく0だということだ。未来からの子孫が手を差し伸べることなどないのである

 俺は明かりの少ない部屋でひときわ深いため息をついて、マッチ棒での基地づくりの作業に戻った。

追記小説サイト投稿する。

  • とりあえず子供部屋おじさんとかいう単語から連想したストーリーであろう事は分かった。ブレインストーミング的で創造的だ。

  •                                                             anond:20190413005221

  •   時間を間違えて来た 千載一遇のチャンスを 逃がしてはいけない                                                           anond:20190413005221

  • だが、ちょっと待ってほしい 時間移動を間違えただけなら、更に彼らは過去へと飛び、子供部屋おじさんの人生を好転させるはずだ 君がこの文章を書いているのは、好転した世界線がα...

  • ドラえもんの最終回 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%81%88%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%AE%E6%9C%80%E7%B5%82%E5%9B%9E のび太植物人間説 もとは1986年秋頃に子供たちの間で流行した噂であり、...

  • 最後は「今あった奇妙な出来事を書き込むために増田を開いた」じゃないとおかしくないか? 嘘増だろこれ

  • 子孫がいる時点で

  • 俺は天才だった。 圧倒的能力とカリスマで世界初の200か国兼任大統領に就任し、 そのまま暴走して初代地球皇帝に即位して銀河征服に乗り出した。 それが500年後の破滅に繋がったから...

    • 災厄を引き起こすのは増田ではなくて、増田の子孫。 だから増田はモテないようにされた。

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