真面目な性格で、歳上の人からは男女関わらずかわいがられることも多い。息子や弟を見ているような気持ちなのだと思う。
その一方でエロいことが好き。アニメやゲームが好き。女の子が大好き。こういった面は基本的に表に出さずに生活している。
相手の女の子とは街コンで知り合った。歳は近く、僕のほうが少し上。
街コンのあとに相手から連絡を貰った。僕も相手のことが気になっていたので会う約束を取りつけた。
2度会った。2回とも夜に飲み会をした。気が合い、人見知りな僕にしては話も盛り上がったほうだと思う。
でも、エロい話やオタク趣味の話はしないままだった。切り出し方もわからないし、引かれるのが怖かった。
飲んで食べてと楽しみつつも、僕の頭の中はエロい妄想が広がっていた。
そして3度目、昼間におでかけをしたいね、と話していたが、また飲み会の約束になった。
この時、僕はある覚悟をしていた。「今回こそセックスしたい。ホテルに誘おう」と。
1度目も2度目も漠然と抱いていたスケベ心だが、3度目では明確な野望になった。ホテルの場所も調べた。
というのも、お互いの仕事の都合で距離が離れ、今ほど気軽に会えなくなるため、ただの飲み友達からステップアップしたかった。
手をつなぐ、でも、付き合う・キスする、でもなく、セックスを目標に置いたのは、チンコに脳みそを支配されていたから、とでも思うしかない。
3度目の飲み会もつつがなく進行した。前回前々回と同様に話も盛り上がった。「気が合うよね」なんて話もした。エロの話はしなかった。
そして店を出たあと、僕はおもむろにホテルがある方向へ歩き出した。相手は訝しがって僕に尋ねた。
どのように答えたか正確には覚えてないが、「2人になりたい」「"そういうこと"をしたい」などと言ったと思う。今思えばとても気持ち悪い顔をしていただろう。
彼女は拒否した。拒絶した。「怖い」と言った。強制するつもりなんて全くなかったし、すぐに引き返した。
彼女は「そういうのは飲み以外でなにかしてからがよかった」と言った。僕もそのほうがいいかもしれないと思った。
僕はとにかく謝った。情けない言い訳をした。よく覚えていないけれど。
後日、改めてLINEで謝罪した。そして「もしよければまた会って欲しい」と言った。
彼女は「気にしないで」と言いつつも今後についてはNOを示した。当然だと思った。
正直なところ、僕が相手のことをどれくらい好きだったかはわからない。でも、普通にかわいい人だったし、気も合った。何より、僕に興味を持って接してくれていたと思う。
生まれてから今まで20年余り、異性からの好意を実感したことのない僕は完全に舞い上がっていた。
もし彼女が僕に好意を抱いているのならそれに応えたい、好意を確かめ合いたいと思った。
しかし、抱いている好意の性質は男女で、というより僕と彼女とで大きく違っていたらしい。
ここまで読んでわかってもらえる気はしないが、決して体目当てだったつもりはない。
エロは大好きだけど1番好きなジャンルは「カップル」とか「純愛」とかそういったものだ。これを読んでくれている人も、そして彼女もそんなこと知ったことではないというのはわかる。
冷静になったいま思い返すと、あそこまで思考がエロに支配されていた自分とその言動が本当にこわい。
今まで誰とも付き合ったことがないこと、離れ離れになることで焦る気持ちもわかるけれど、ここまで急くことはなかったと今なら思える。
ああしておけばよかった、こうすべきだった、と毎日後悔し続けている。
しっかり反省し、次に女の子と仲良くする時はもっとうまくやろう、と思いつつ、彼女の気持ちをグチャグチャに踏みにじり、踏み台にしているようで、そんな自分の思考をとても醜くおぞましいものに思う。
へたくそな釣りだなあ 釣られクマー