2019-03-22

知らないマックに行ったら自殺した友人がいた

仕事クビになったし今日は遠場のマックに行こうかと考えて適当バスに乗り込んだ。

数年前に自殺した友人がマック好きだったこともあり、色々な場所マックへ行くのが俺の趣味

マック一見どれも同じに見えるが立地や大きさ、地域ごとにひと工夫あり同じながら微妙な変化を楽しめる。

頼むメニューはいつも決まっていて、ホットコーヒーMにソーセージエッグマフィンだ。

思い返せばこれも今は死んでしまった友人の鉄板メニューだった。

さて、バスに乗ってたどり着いた場所名前すら知らないような駅だった。

案内を見ると駅の中にマックがある。よく見る駅内蔵型マックだ。

いつものように店内を一見して定番メニューを頼み、席に着こうかとした時だった。

自殺した友人がいた。

マジで、俺はトレーを持ったまま固まった。

じっと見て口をあんぐり開け、喜びと悲しみが垂直落下する滝のように吹き出て1秒が5秒に感じられた。

暫くすると友人も俺に気づいたようで、「あっ」と言葉を発した。

人違いなわけがない。

髪は最後にあったときより随分伸びていたが、見間違えるわけない。

鋭さと優しさを両方備えた瞳、こじんまりとした鼻、泣きぼくろ、一度見たら忘れない美人。そしてなによりも「見つかっちゃった」と言うようなイタズラ顔。

間違いない。彼女だった。

俺は即、彼女の隣に着席し「死んだんじゃなかったっけ?」と声を震わせながら言った。

彼女は「君の中ではね」と笑いながら言った。

死んだと見せかけていた経緯はこうだった。

彼女は元々不安定性格だった。大学での友人も、本繋がりで繋がったクソ根暗の俺だけ。

日々精神を消耗させていき、ついには大学を退学することにした。

からといって俺と縁を切る必要ないだろ?と疑問をぶつけたが

当時の彼女の中では「大学≒俺」であり、確かに大切な存在だったが、もう耐えられなかったという。

そして親に頼み俺には死んだと言うことにしてくれとしたらしい。

俺はまんまと騙され、元々不安定彼女自殺したと思い込んだ。

罪悪感に駆られて大学留年した。アル中

になり病院にぶち込まれた。

その後は普通に就職したが、パニック障害を患ってつい先日会社をクビになったのだった。

「大変だったね。まあ、昔のことだし」

彼女は昔みたいにはにかみながらそう言った。そう、この女はずっとずっとこんな感じだった

そうだね。そう言ってそれからはずっと昔の話をした。

時間を忘れて話し込んだ。

LINEなんて交換しなかった。「またいつかここに来てよ」それだけで十分だった。毎日行ってやるよ。

もうマック巡りの趣味は終わりだ。

彼女が頼んでいたのはホットコーヒーMとソーセージエッグマフィンだった。

俺はもう、本当に、ただそれだけで良かった。

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