2019-02-14

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数学における最大の謎: 望月新一と不可解な証明

日本人数学者が彼の分野で最も重要問題のうちの一つを解いたと主張している。困ったことに、彼が正しいのかどうか殆ど誰も分からないことだ。

2015年10月8日 Davide Castelvecchi

2012年8月30日の或る時、望月新一は静かに彼のウエブサイトに4つの論文ポストした。

論文は膨大(総計して500ページを超える)で密に記号が詰められており、10年以上の孤独研究絶頂だった。それらの論文はまた学界の突発的事件となる可能性を持っていた。論文の中で望月abc予想を解いたと主張した。abc予想は数論において他の誰も解決に近づかなかった27年目の問題だった。彼の証明が正しければ、今世紀で数学の最も驚異な業績となるであろうし、整数を持つ方程式研究を完全に変革するであろう。

しかし、望月自身証明について騒ぎ立てなかった。その有名な数学者は日本京都大学数理解析研究所(RIMS)で研究従事しているが、自身研究世界のどの仲間にも知らせなかった。彼はただ論文ポストして、世界が見つけるのを待っているのに過ぎなかった。

おそらく論文群を最初に注目したのはRIMSで望月の同僚である玉川安騎男だった。他の研究者達と同様に彼は望月が何年間その予想について研究していて、とうとう研究を終えたことを知った。同じ日に玉川は彼の共同研究者の一人である英国ノッティンガム大学の数論学者イヴァン・フェセンコにそのニューズ電子メールで送った。フェセンコはすぐに論文群をダウンロードし読み始めた。しかし、彼はすぐに"当惑した。それらを理解することは不可能だった"と言う。

フェセンコは数論幾何学という望月の分野の何人かのトップエキスパート電子メールした。証明の知らせは急速に拡がった。数日内に、熱のこもったおしゃべりが数学ブログオンラインフォーラムで始まった(Nature http://doi.org/725; 2012を見よ)。だが、多くの研究者達にとって証明に関する早期の意気揚々が急速に懐疑へと変わった。すべての人々(専門分野が望月のものと最も近い人々さえも)はフェセンコと全く同じように論文群に面食らった。証明を仕上げるため望月は彼の分野でも新しい分科をこしらえたが、純粋数学の水準においてさえも驚くほど抽象的なものである。"それを見れば、未来からの、または宇宙から論文を読んでいるのかも知れぬとちょっと思える"とウィスコンシン大学マディソン校の数論学者ジョーダンエレンバーグは論文出現の数日後にブログで書いた。

3年間ずっと望月証明数学的に未決定のままである。つまり、広くコミュニティによる誤りの指摘も無く、そして認められてもいない。望月は彼の研究理解出来るために数学大学院生が約10年かかるだろうと見積り、フェセンコは数論幾何学エキスパートですら約500時間かかるだろうと考えている。今のところ、証明全体を読めたと言っている数学者は4人しかいない。

これすき。

記事への反応 -
  • 30代のオッサンなんだけど、 一念発起して、昨年の4月から数学や物理を勉強している。    いわゆる、大学院入試レベルの数学やら物理やらというのは、マアマアできる。 いわゆ...

    • 数学における最大の謎: 望月新一と不可解な証明 日本人数学者が彼の分野で最も重要な問題のうちの一つを解いたと主張している。困ったことに、彼が正しいのかどうか殆ど誰も分...

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