2019-01-19

フェミニズムに変わる新しい言葉が欲しい

昨今ネットでラディカルすぎるフェミニストが目につくことが増えてきたので、もしかして日本ではフェミニズムって言う言葉は悪い意味で広がりすぎているのかもしれないと思ってるので、自分が把握している範囲歴史を紐解きつつまとめてみようと思う。

まず、フェミニズムあくまで「女性地位向上」が目的として出てきた運動なのはまぁ言葉の通りだよね。男性地位が高く、女性には発言自由が認められていない状況をなんとかしようね、というのがフェミニズムの始まり

から、フェニミストが声を上げるたびに「じゃあ男性権利剥奪される一方で良いのか!」という反論を目にするんだけど、「語源としてフェミニズムから見た時に、フェミニズム女性地位向上が目的なわけで、こういう反論トンチンカンだとは思います

ちなみに、男性地位向上を目指す運動は「マスキュリズム」と呼ばれていたのですが、思ったよりはこの活動流行らなかったです。

マスキュリズムの考え方はとても良いものだと私も考えます離婚の際、子供親権女性に有利すぎるだとか、そういう女性優遇は確かに存在しまから

ただ、マスキュリズム流行らなかったのはマスキュリズム実質的には「反フェミニズム運動」にしかなれなかった、というところが大きいんですよね。

フェミニズムなんて活動が出てきたからそれまで保たれていた男女の均衡が崩れたんだ」なんていう言説が出てくるくらいで、はたから見ても「既得権益を守りたい男の言い訳やん」って部分が結構あったわけです。

女性地位向上」を目指す古いフェミニズムは、根本的に「そもそも性で地位を区切ろうとしている」ことから思想的に抜け出せないので、定期的に「女性とは何か」という定義をして、フェミニズム運動対象とするかどうかを更新しています

1960年代は、レズビアンのことを「自らを男性に同一化して女性を愛する女性」ということで、「レズビアン女性ではない」と定義してレズビアン排斥されてきた過去もあります

その後、逆方向に振り切って、「レズビアンフェミニスト男性がいない社会を作りたい、ラディカルフミニストの一派)」なんかが出てきたりもしています

いずれにせよ、フェミニズム女性地位向上、果ては男女平等を目指す活動であるはずが、同時に女性とは何かという定義更新し続けてきたわけです。

ところが、「じゃあLGBTQADを全て男性/女性に切り分けて定義するのか?」となってくると旧来の「女性地位向上」という枠では立ち行かなくなってきたんですよね。

そこで、現在は「ジェンダー平等」がもっぱら議論テーブルに上がっているように感じています

特にリベラルフェミニストは既に女性地位向上というよりはジェンダー平等の方を目指しているのでは?

ジェンダー平等という言葉は、「男性/女性/それ以外全て」の性差撤廃しようという活動なので、男女平等とは異なる概念です。

SDGsのゴールの一つにも名言されてますしね、ジェンダー平等

特に有名なのは国連賛同しているHeForShe活動でしょうか。

元々、2014年エマワトソン演説では性差撤廃を述べながら、HeForSheの活動のものは「フェミニズム女性だけの問題じゃないか男性も一緒に話し合おう」と言うにとどめていたのですが、2016年からそもそもフェミニズムって女性地位向上目指してるっぽく見えるし、ちゃんジェンダー平等を目指そう」って活動に切り替えています

ただ、ここで気になるのは、エマワトソン演説安倍総理演説の違いです。

エマワトソン演説ではかなり丁寧に「ジェンダー平等」という言葉を選んでいて、「男性女性も他の性も大変だよね、だからお互い性でくくらない方法を考えようね」と述べているのに対して、当時の総理演説では、「女性人権向上」だけがお題目になっていました。

日本にとってのHeForSheの運動は、「ジェンダー平等」ではなくて「女性地位向上」から変わっていない、ということです。

まぁ、HeForSheも英語の語義的には「女性のために男性は立ち上がれよ」って感じの意味なので、ジェンダー平等を掲げるつもりなら活動名前も変えたらよかったのでは、と思わなくもないですが。誤解している日本人もかなりの数いるのでは。

ジェンダー平等日本の考えの差異エマワトソンYouTubeの話と安倍総理レポートの内容を見比べると「マジか」って思うと思います

http://japan.unwomen.org/ja/news-and-events/in-focus/heforshe

http://japan.unwomen.org/ja/partnerships/japan-commitment

いえ、もちろんSDGsのゴール5だってジェンダー平等を達成し、女性権利向上を」って言っているし、政治的アプローチとしては未だに「女性地位向上」をしないとダメってのが現状なのは世界的に見ても間違いないんですけど。

もうちょっと演説のやりようあるやろ、と思うだけです。

ということで、日本ではまだ「ジェンダー平等」よりも「女性地位向上」の方がフェミニズムに求められている、というのが現状だと思います

特にネットを眺めていると、本当にジェンダー平等を目指そうとしているフェミニストっているのか疑問を感じてしまうくらいに、ミサンドリー男性嫌悪)が蔓延っているように感じています

かに、先述したレズビアンフェミニスト代表されるような急進派のフェミニスト国内外わずミサンドリー男性嫌悪)をあからさまにしている人もおり、エマワトソンとかが頑張ってるのに未だに「フェミニスト→ラディカルフミニスト→ミサンドリー男性の敵」という理解がされているようにも思います

日本でも「ポリコレ棒」という表現がありますが、それも上述のようなラディカルなフェミニスト(あるいはマスキュリスト)によって生まれた極端な例の叩き合いでしょう。

こうなると、そろそろ「フェミニスト」って言葉自体、あまり良い意味を持たなくなってしまったなぁ、と悲しくなっています

例えば「右翼」にとっての「ネトウヨ」や「左翼」にとっての「ネトサ」のように、「極端な人を切り離す言葉」があれば良かったのですが、フェミニストはそれ自体が極端な人を表すレッテルになってしまっていて、今の日本ジェンダー平等を目指そうとする動きに、フェミニストフェミニズムっていう言葉ノイズになってしまっているように感じます

今回のトランスジェンダー(MtF/男性から女性に性転換した人)への強烈な差別だってフェミニストの中には「生まれ男性であればそれは女性と認めない」という人が一定数いて、しかもそういう人が自分こそがフェミニストだとふるまっているか地獄になっているように感じます

「ラディカルフミニスト」って言葉が長いのでレッテルとしてあんまり良くないんですよね。ミサンドリストって言うのもなんかうーん、という感じです。

ということで、「ジェンダー平等を目指す人」ってのは本当は沢山いますし、フェミニストの中にもそういう人はたくさんいます

ただ、もう、そういう人たちは少なくとも日本では「フェミニスト」を名乗ってもあまり得はないと思うので、なんかもっとかっこいい肩書を考えてください。

ジェンダリストとかジェンダリズムっていうとなんかこう、DaiGoの姿が脳裏によぎるので、何か他のないですかね。

  • ジェンダー平等を叫ぶ人たちって「女性専用車両に乗り込む男たち」ってことでいい?

  • 旗色が悪くなったら旗をすげ替えるとこまでやんのか すげえな俺にはそんな恥知らずなことはできねえよ

  • フェミニズム全体が男性憎悪を捨てるように動けば良いのでは? フェミニズムが叩かれるのは自身の憎悪への反発がほとんどだし。

  • 残念ながらそもそも「ジェンダー平等を目指す人」っていうのが少数派だからね 男並みの義務も負うから社会と競争に参加する権利をよこせと、でもこういうのあなたらの言葉で名誉男...

    • 増田の考える「男並みの義務」の中に「女を搾取する権利」がナチュラルに含まれてるからじゃ? 名誉男性ってそういう人の事だよね。

      • 「女を搾取する権利」など誰にもないし、大多数の男、合法的に暮らしてる男は搾取などしていない。

        • 搾取ってのは違法行為をすることだけじゃなくて、家事育児は女性の方が得意だと決めつけること、笑って愛想良く話を聞くのが当たり前だと思うこと、身綺麗にして化粧するのが普通...

          • その逆バージョンの搾取を放置、剰え推進してる女サイドが自分たちの待遇だけを「搾取」と非難する資格あると思ってんの? そういうとこやぞ

            • 「弱音を吐くな、長時間働け、年収が高くなければいけない」って、今では普通に女にも課せられる抑圧やん 更に「家事をしろ、子供を産んで育てろ、親の介護をしろ」と言う従来の抑...

              • 「弱音を吐くな、長時間働け、年収が高くなければいけない」って、今では普通に女にも課せられる抑圧やん 課せられてない。男は下方婚してる。 女様は今日も男叩き、証明不可で存...

                • これって表裏一体で、 ・弱音を吐くな⇆弱音は「女々しい」 からの、「女」を罵倒語として使う意識 (女が強く発言すると「男勝り」となる) ・長時間働け⇆働くための家事雑事は女の...

                  • ・弱音を吐くな⇆弱音は「女々しい」 からの、「女」を罵倒語として使う意識 (女が強く発言すると「男勝り」となる) 女が弱音ばっかり吐くから「女々しい」が定着した。「男勝り...

  • 気に入らない人を見つけては絡んでいってバトルを仕掛けるので、「バトラー」がいいだろう

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん