大型タイトルにもメインスタッフとして参加するくらいで今ではサイン会も大賑わい。
サイン会の席が余り作家本人と常連のファンで笑い合いながら飲み会をしていたあの日々が懐かしい。
有名になってしまって寂しいという気持ちはこういうのを指すんだろう。ありふれた話だ。
作家の新作は面白くて斬新だけど、どこか過去作の焼き直しが見受けられる。
過去作が尽く打ち切りで歯がゆい終わり方だったことを考えると、売れなかった頃の方が面白かったなんてとても言えない。
言えないんだけど、遠巻きに作家自身に過去作品の否定を感じ取ったことがあって、あのときはただ苦しかった。
それでも僕は遠方の個展には行くし今後も作品やグッズを買うのだろう。
作家さんはとてもいい人だから僕が挨拶をすればまた一緒に飲みに行ってくれるに違いない。
かつて一緒に飲み会をしたファン達は互いにトラブルで縁を切ったり離れていったものの、今でも遠巻きにファンのままでいる。