行動生態学における、「性的嫌がらせ(sexual harassment)」という用語が、生態学界隈をちょっと騒がせている。
(中国でのヒト受精卵のゲノム編集の話の方がよっぽど事件だと思うんだけどなあ)
この言葉自体には問題がなくて、「いわゆるセクハラ」とは別次元の定義がちゃんと与えられているっぽい。
でも、プレスリリースなどになった時、語弊があるかもしれないと。
で、皆様、適切な意見を述べてらっしゃるのですが(皮肉でなくちゃんとした議論がなされている)、ちょっとお待ちいただきたい。
生態学自体に、ちょっとキャッチコピー多くないですか?
概念の厳密な定義や用法のコントロールってちゃんとできてるのかな?
学問自体に見直しが必要だったりしないですか?
生態学って、学会発表のタイトルがかなり自由っぽい。もちろん、お堅いタイトルもたくさんあるけど、かなりキャッチーなタイトルが並ぶ。
http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/index.html
個人の感想だけど、理解しやすいように、人間にとって身近なものへのアナロジーを使用しているものがいくつか見受けられる(証拠なし)。
つまり「人間以外の生き物に関すること」を「人間に関すること」に例える方法だ。
これはすごく強力で、専門分野のややこしい内容をすっ飛ばして、親しみやすい身近な内容に訴えかけられる。すごく分かりやすい。
極めて雑に例えると、動物の番組で、ワンちゃんにアテレコがつくあれみたいな感じ。ワンちゃん脳内の神経回路の発火から行動まで、人間のそれらとどこまで合致しているかをすっ飛ばして、とりあえずワンちゃんが人語を喋る。
たぶん、この方法や他にもある強力なキャッチコピーに乗っかって利益を受けてきた部分が結構あると思うんだ。それ自体は咎められることでは決してない。
だけど、その分の対価を払う必要はきっとあるよね、とTwitterを眺めてて思いましたとさ。