2018-10-28

軽減税率にも擁護論はある

軽減税率にも擁護論はある

はいっても推進派にとって残念ながら、逆進性の改善によるものではない。

軽減税率の逆進性改善有効性の低さは折り紙つきで、費用にぜんぜん見合わないというのは多くの研究で一致するところである

軽減税率に対する擁護論

の3点から来る。

ラムゼイルール ~ 贅沢品に軽減税率適用すべし

需要価格弾力性が高い財ほど低い税率、需要価格弾力性が低い財ほど高い税率をかけることが社会厚生上のぞましいというルール

簡単にいえば、値段が上がっても購入する量を減らせない生活必需品ほど高い税率をかけるべきというもの

すると、税金をかけることによる人々の財の購入計画に与える歪みを小さくできるので、税による社会厚生の損失も小さくできる。

まり「こっちの商品税金が高いから買うのをやめて不本意だけどあっちの税金の低い商品にするか」といった税の存在によって人々の判断が歪むのを極力防げるということ。

自家生産から市場での購入への変更促進 ~ クリーニングレストラン理髪店軽減税率適用すべし

クリーニングなど自分作業可能サービスや、自分生産可能な財の税率が高くなると、

クリーニング店に持っていくのをやめて自分洗濯を済ませてしまおうとする人が出てくる。

しかし、クリーニング店でまとめやった方が分業による効率化が働くため社会全体ではのぞましい。

そこで、クリーニングのような自家生産可能な財・サービスに関しては軽減税率適用し、分業を促進すべきということになる。

まり、やろうと思えば自分で出来てしまうような、市場での購入の必需性の低い財・サービス軽減税率をかけるべきということ。

クリーニング以外にもレストランや、近頃ではセルフヘアーカッターの売れ行きが伸びていることなからすると理髪店美容院などもこれに入る。

正の技術外部性 ~ 教育医薬品エコカー新聞軽減税率適用すべし

誰かが消費を増やせば、それが市場を通じることなく(消費を増やしたことで誰かの給料が上がって景気が良くなって・・・といったものなどではなく)別の人のメリットになるのであれば、

そのような財・サービスに関しては軽減税率適用し、消費を促した方がのぞましいというもの

具体例を挙げれば、マスク軽減税率にすれば咳をして風邪ウイルスをまき散らす人が減って他の人も助かるね、といったもの

教育医薬品エコカー省エネ製品などが代表例。日本新聞協会新聞軽減税率にするべきと言うのも、この点から合理性がある可能性がある。

まとめると

贅沢品やレストランエコカー省エネテレビ軽減税率をかけろという、おそらく軽減税率の信奉者が受け入れらない結論が出てくる。

逆進性対策は別の形でやりましょう。

ところで

不公平"感"をどうするかが大切?合理性に欠けるものゴリ押しされることに対して不満"感"を抱く人も多いってことですよ。

逆進性がほとんど改善しないものを逆進性対策としてやられて、実際の生活改善しないのに不公平"感"が小さくなったね良かったね、とされては生活に困りきってしまう人もいる。

それに、やってから問題が噴出すれば手のひら返し文句を言いたくなるのが人間の性。一時のアンケートで近視眼的に決めるより、合理性を重視した方が長期的には納得度高まるものなんです。

から政府審議会を重ねに重ねて政策合理性を高める努力をしてるいるわけよ、世論はこうだからこうしますみたいな手抜きのお仕事をするのではなく。

今の人気が高い政策をただ選ぶのではなく、合理性の高い政策は何かに熟議を重ね、そうした合理性の高い政策への納得度を高めるように説明を尽くすのも政府仕事

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